339.深淵の戦法【闇夜の一閃】
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ズアアアアア!!!!
俺の体から黒いオーラが吹き出した。
それはまるで夜の闇が形を持ったように渦を巻き、髪の毛の半分を黒く染め上げ、瞳までもが深淵の闇に沈んでいく。
「なんでござるかこの禍々しい魔力は!?」
「とてつもない濃度の闇魔法…しかも魔力量も凄まじい…」
リョウマさんとアルテナさんの声には、明確な驚愕が滲んでいた。
「ギシャアアアア!!!」
アークヒュドラが八つの喉を震わせ、空間を裂くような咆哮を上げた。
だがその声には怒りよりも、はっきりとした恐怖が混じっている。
俺を見たその瞳が、獲物ではなく脅威を見ている証拠だった。
すると、八つの口が一斉に開く。
禍々しい光がその奥で収束していく。
「【石化ブレス】だ! 全員隠れろ!」
「これは~石化どころか~街を吹き飛ばす威力だからね~避難したとヤバいよ~!」
ガルさんとジョーカーさんが仲間たちに避難を促す。
だが――
「避難は必要ないのじゃ。ウェルならこのくらいのことを切り抜けるはずじゃ」
「しかし!」
「大丈夫ですわ!」
エリスお嬢様とリーズが声を重ねた。
その目は俺を信じている。疑いなんて一片もない。
「なるほど…暴れると厄介だな。一撃で決める!」
俺は【魔導霊気刀】を抜き、ゆっくりと構えた。
黒いオーラが刀身に集まり、ギュウと空気を押しつぶすような圧が辺りに満ちる。
「ギシャアアアア!!!」
「来るぞ!!」
ズドーーーン!!!
閃光とともに放たれた石化ブレスが地を払い、大気を震わせながら一直線に迫ってくる。
その煙は凶悪なまでに眩しく、触れたものすべてを灰に変えかねない。
だが俺は動じない。
「深淵の戦法【闇夜の一閃】」
ズバーーーーン!!!!!!
黒い閃光が一瞬で世界を裂いた。
闇の刃は石化ブレスを正面から両断し、そのままアークヒュドラの八つの首を一気に切り捨てる。
空気がねじれ、地面が爆ぜるように揺れた。
ズドドドーン!!!
切り離された首が重い音を立てて地に落ち、石化の光も霧のように消え去った。
ヒュー…スタッ。
黒い風を切って俺は静かに着地した。
ズアアアアア…。
黒いオーラが消え、目と髪の色が元に戻る。
息を整え、刀を納めた。
「終わりました!」
刀身が鞘に収まる音が、やけに澄んで聞こえた。
「やったアルな!」
「お見事でござる!」
「信じておりましたわ!」
「強くなりましたね」
「さすが妾のペットじゃ」
仲間たちの声が一斉に響く。
…ペットって言われたけど、まぁ嬉しいから許すか。
「…こりゃ驚いた…S級冒険者のレベルを遥かに超えているじゃねえか!」
「もしかしたらSS級冒険者以上かもしれないね~!」
「はっはっはっ! 確かに拙者よりも強いかもしれないでござるな!」
ガルさんもジョーカーさんも驚愕を隠せず、リョウマさんは笑って称賛してくれた。
SS+1級の彼にそう言われるなんて、光栄以外の言葉が見つからない。
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