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327.ダンジョン【アルゴプリズン】に突入!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 俺たちは世界最悪と恐れられるダンジョン【アルゴプリズン】へ突入する前に、街【ラビリンス】の宿で一晩を過ごしていた。

 疲れた体をベッドに沈めながらも、俺の頭の中はイザベラのことでいっぱいだった。


 なぜ俺たちがその危険なダンジョンに向かっているのかと言えば――俺の生徒であるイザベラを救い出すためだ。

 冒険者ギルドへ向かう前、俺たちは街の広場や商人たちから情報を集めていたが、どこも決定的な手がかりは得られなかった。


「イザベラの情報はほとんど得られなかった。やはりダンジョンの中だろうか…」


「フードを被った謎の少女がダンジョンへ行く道を探していたそうなのでダンジョンへ向かった可能性がありますね」


 宿の窓の外で風が鳴った。

 イザベラの行方を追ってここ【ラビリンス】に来たものの、手がかりは薄く、唯一の希望はダンジョンの奥しかない。

 しかし――なぜ彼女がわざわざ危険なダンジョンに向かったのか? その理由が見えないのが不安だった。



 翌朝。


 冒険者ギルドでダンジョン潜入の許可証を手に入れ、冷たい朝霧の中を歩き出す。


「ダンジョンは降りれば降りるほど強力な魔物が現れる。だから今日はほどほどにしてみようと思う」


 俺の意見に全員がうなずいた。

 未知の領域に踏み込む以上、焦りは禁物だ。慎重に――だが確実に進まなければならない。


 ダンジョン【アルゴプリズン】の入り口に着くと、岩肌を削った巨大な門の前で、二人の冒険者が腕を組んで立っていた。

 鎧には泥の跡、腰には擦り切れた短剣。場数を踏んだ者の目だ。


「なんだお前たちは?」


「新入りか? ギルドの許可はあるのか?」


 どうやら彼らは、無許可で突入しようとする者を止めるための見張りらしい。

 ただレアアイテムを独占するためではなく、実力不足の冒険者を死なせないための措置だとすぐに分かった。


「これでいいですか?」


 俺は許可証を差し出した。


「うむ。問題ない。ただし、深追いするなよ」


 仏頂面でぶっきらぼうに言ったが、その声の奥には、同じ冒険者としての気遣いが感じられた。

 俺たちは軽く会釈を交わし、ついに【アルゴプリズン】の闇の中へと足を踏み入れた。



 ――1階層。


 湿った空気が肌にまとわりつく。

 壁には青白い苔が光り、奥へ進むほど温度が下がっていく。


「グオオオオ!!!」


 突如、暗闇の奥から唸り声。

 現れたのは危険度Bランクのオーガの集団。

 岩のような腕、腐臭を放つ吐息――1階層からこれとは、噂に違わぬ難度だ。


 しかし――


 ズババババ!!!

 ズドン!!

 ズガン!!


 俺たちは瞬く間に殲滅した。

 もはや相手にもならない。


「オーガはもう敵じゃないアルな!」


 テンちゃんが誇らしげに笑う。

 思えば、初めて組んだ時もオーガ討伐だった。

 あの頃とは比べものにならないほど、互いに強くなった。


「どんどん進もう!」


 仲間の声が響く。

 俺たちは足音を響かせながら、何事もなく1階層を駆け抜け、次なる2階層へと進んでいった――。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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