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324.【ラビリンス】の冒険者と模擬戦

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 無謀に突っ込んで死者を出さないための規定とはいえ、このままでは【アルゴプリズン】に入ることはできない。

 ならば――証明すればいい。自分たちの実力を。


「俺たちがS級冒険者以上の実力を証明します!」


 その瞬間、ギルド内の空気が一変した。

 ざわつく声が一斉に広がり、視線が一斉にこちらに注がれる。


 ドヨドヨ――。


 驚きに目を丸くする者もいれば、露骨に睨みつけてくる者もいた。


「S級冒険者ぐらいなら拙者でも一捻りでござる!」


「そうアル! 楽勝アル!」


 その挑発的な一言に、場の緊張がさらに高まる。


 ガタガタ――。


 椅子の脚が軋む音とともに、数名の冒険者が立ち上がった。

 ギルド内の空気が、一気に火薬のように熱を帯びていく。


「さっきから聞いていれば舐めたこと言ってくれるじゃねえかガキども」


「ここがどれほどレベルが高いか教えてやろうか!」


「俺たちが現実の厳しさを教えてやるぜ!」


 3人の男たちがこちらに歩み寄ってきた。

 全員が鋭い殺気をまとっており、空気そのものが重くなる。

 ……だが、これほど都合のいい展開もない。実力を見せるには絶好の機会だ。


「えぇっと…! ケンカはダメよ! あくまで模擬戦ね」


 受付の【小族しょうぞく】のお姉さんが慌てて割って入った。

 その言葉でようやく、殺気立った空気が少し和らぐ。



 ――ということで、俺たちはギルドの奥にある【ラビリンス】訓練所へと移動した。


 訓練場は石造りの広い闘技場のような場所で、壁面には無数の剣傷や魔法の痕が刻まれ、ここで幾度となく模擬戦が繰り広げられてきたことがわかる。


 俺たちに挑んできた冒険者たちは、全員S級。

 名前は【ヨセ】【アツ】【メダ】。

 いずれも実力者であり、周囲の観客たちからも一目置かれているようだ。


 審判を務めるのは、先ほどの小族のお姉さん。

 彼女が合図を出す位置につき、俺と最初に戦う相手――【ヨセ】が前に出た。


 ヨセは身の丈三メートル近い巨漢。

 両手で握る大剣はまるで鉄柱のようで、俺の身長の三倍はある。

 観客の誰もが、勝敗は火を見るより明らかだと思っていた。


「始め!!」


 その掛け声と同時に、ヨセが地を蹴った。


 ビュン――!


 巨体からは想像もつかない速さで、一気に間合いを詰める。

 地面が沈むほどの踏み込み。さすがS級。


「死んでも恨むなよ!!」


 大剣が風を裂き、唸りを上げて俺の頭上に迫る。

 だが――速さなら、負ける気はしない。


「【魔導気】!!」


 ヒュンッ。


 俺の身体が一瞬にして霞んだ。

 足元に青白い光が走り、空気が震える。

 次の瞬間、俺の姿はヨセの視界から消えていた。


 ズガーン!!!


 ヨセの大剣が地面を叩き割り、石床を抉る。

 粉塵が舞い上がる中、俺はすでにその背後にいた。


「ぬぁ!? 速い!?」


 ヨセの驚愕が聞こえる。

 俺の動きをかろうじて目で追えているあたり、さすがS級といったところだ。


 だが――追えるだけでは、勝てない。


「ラーニング3つ同時発動! 【氷炎の豪剣】!!」


 右手の剣には紅蓮の炎、左手の剣には蒼氷の霜。


 ズガーン!!!


 氷と炎が同時に放たれ、交差する軌跡が閃光の十字を描く。


「ぐぉあああああ!?!?」


 ヨセは反射的に大剣で防御したが、剣は悲鳴を上げるように軋み――真っ二つに裂けた。

 同時に、凍りつく冷気と焼き焦がす熱風が彼を襲う。

 防具は半分が凍りつき、半分が焦げ落ちた。


 一応、命までは奪わぬよう手加減はした。

 だが、それでもこの威力。


 ドサッ。


 ヨセはそのまま前のめりに倒れた。

 模擬戦開始から――わずか数秒の出来事だった。

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