321.【第3章完結】それぞれの思惑
ここで一旦完結します!
次回更新は3/24になります!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
俺が学校の外へ出ると、仲間たちが青空の下で待っていた。朝の光が校舎の白い壁に反射して、周囲の木々の影がゆらゆらと揺れている。
「もうよいのじゃな?」
「はい、大丈夫です。エリスお嬢様」
俺の心情を察してくれていたエリスお嬢様が、柔らかい笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「ダンジョンは初めてですわね」
「そうアル! ダンジョンはお宝がいっぱい眠っているとのウワサらしいアル! ワクワクするネ!」
初めてのダンジョンに不安そうなリーズと、目を輝かせるテンちゃん。
「ですがどんな時でもやることは同じ」
「危険なのはどのクエストも一緒でござる!」
いつも通りの冷静さを見せるココさんとサヤ。ちなみにブランはまだ学校に通いたいということでここにはいない。
あんな出来事があったにも関わらず、仲間たちは友達として絆を深め、和気あいあいとしている。
クエストだけでなく、こうした人間関係を育むことも大切なのだ。
「それじゃぁウェルパーティー! 初のダンジョンクエストに向かって…出発だ!」
「「おーー!!!」」
俺の掛け声に応え、全員が声を揃える。新たな冒険の幕開けだ。
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ここは学校の保健室。窓際の机に座るルナは、遠目にウェルたちの姿を見つめていた。
「あの子たちはあのダンジョンへ向かったみたいね」
ルナの前には、男性が二人立っている。
一人はグアル。もう一人は、
「ガッハッハ! 俺の出番はなかったな!」
三大闇ギルドの一角【グリムリペア】、No.3 万雷【ドナー・ボルト】。通称【人類最強の傭兵】である。
今回、グアルたちが暗殺を狙ったターゲットはヴラド。ドナーなら容易く倒せる実力を持つ。
「まさかあの子がヴラドの娘でヴァンパイアのハーフとは…」
衝撃の事実に、グアルも目を見開く。
「それにしてもボスのお気に入りであるウェルって若いもんがいるとはな! ちょっと様子見に行っていいか?」
ドナーの興味がウェルたちに向いているようだ。
「おいおい、お前さんはうちの最高戦力の1人だ。あんまり任務外のことはしないでくれよ」
頭を抱えるグアル。
「ガッハッハ! 心配すんな! 俺は【雷と同等の速さ】で動けるからな! 任務があればすぐに戻って来れる!」
「…そうかよ…」
心配はあるが、止めることを諦めたグアル。ドナーもウェルたちが向かうダンジョン都市へ向かう。
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そして、ここは校長室。重厚な木製の机に校長が腰かけ、窓から見える庭の緑が室内に柔らかく反射している。
「【魔族以外の人類弱体化計画】は進んでいるか?」
「抜かりないさ…」
校長が話す相手は、この国の王、【バルトン】国王である。
「融通の効かないカリキュラムのおかげでバカが育つ。だが例外がいてね」
「2年Gクラスか…あのウェル・ベルクを担任にするとは…ヴィヴィアンのやつめ、余計なことをしてくれた」
「だが問題ない…それに【王子】も順調に侵略が進んでいる」
「魔族以外の【人類絶滅計画】がいよいよ始まるということか…魔族だけの世界…楽しみだ」
その瞬間、校長とバルトン国王の背中に翼が生え、頭に角が出現し、目つきが鋭く変化した。そう、二人は【魔族】だったのだ。
魔物とのハーフであるイザベラの行方。ダンジョンへ向かうウェルたち。それを追う闇ギルドの幹部。学園に渦巻く魔族の陰謀。
それぞれの思惑が渦巻いていた。
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