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306/620

306.最強の小学生の場合(2)

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 最初の試合は、2グループに分かれてのバトルロワイヤル形式で行われるらしい。


 武術、魔法、剣術――何でもありだという。


 会場の結界でケガはしないが、念のため剣などの武器は木製にし、安全面が配慮されている。


 そして、試合開始の合図と同時に――


 シュバババ!!

 ズドドド!!!


 ブランの無双が始まった。


「ちょ!? ブラン!?」


 次々と小学生たちが宙を舞う。

 木の剣や軽い魔法の衝撃で弾かれ、宙でひらりと回る姿は、まるでスローモーションのようだ。


「手加減してって言ったのに!!」


 俺の叫びなど耳に入らなかったらしい。


「お兄ちゃんの全力の応援に…応えたい!」


 S級冒険者でも追い切れない超スピードのブランの動きに、小等部の生徒たちは為す術もなく倒されていく。

 まるで【気】を使った全力投球のようだ。


 そして、わずか1分でバトルロワイヤルの勝者となったブラン。


 小学生たちはバリアによってダメージは肩代わりされているが、うずくまり恐怖で震えている。


「…しょ…しょしょしょ勝者はーー!! ブランちゃん!」


 実況のロムの声も震える。

 まさか、こんな結末になるとは会場の誰も予測していなかった。

 ウェルパーティーの一同も、固唾を飲む。


「うむ、【気】の洗錬が前よりも良くなっているでござるな。鍛錬の賜物でござる!」


「いや、関心しないで!」


 サヤがマジマジと褒めているが、おかげで多くの生徒たちにトラウマを植え付けたかもしれない。


「…テレパシーを使えばよかったのう…」


「…あ…!」


 そうだ。俺は固有魔法【テレパシー】を、エリスお嬢様からラーニングして習得していたのだった。


 うっかり忘れていた……。


 あの凄まじい試合を目の当たりにした生徒たちは、次々と辞退を申し出る。

 ついには小等部の模擬クエストは中止になってしまった。


 ブランは、修羅のごとき恐怖の存在として、会場にその名を刻んだのだ。


「お兄ちゃん! 私…頑張った!」


 タッタッタッ!


 試合終了と同時に、ブランは全力で駆け寄ってくる。

 さっきまで無双していた戦士の姿はどこにもなく、ただの小学生として目の前に立っていた。


「お兄ちゃん! ど、どうだった…?」


 手加減してほしいという言葉は届かなかったらしく、頭を撫でてもらおうとキラキラと目を輝かせている。


「が、頑張ったね! え、エライエライ…!」


 言葉が詰まる。

 こんな純粋な瞳で見つめられたら、「違う!」とは言えない。

 だから俺は、ブランの頭をそっと撫でながら褒めた。


「エッへへ…!」


 嬉しそうに笑うブラン。


 とりあえず、今日はこれで良しとしよう。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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