304.薬剤師と薬師
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「そうね。1番大きな違いは【ケガや毒を治せる薬を調合する】のは薬師で、【病気の治療薬を作れる】のは薬剤師かしら?」
この世界には薬師と薬剤師がいる。
基本的には、冒険者ギルドで流通しているポーションや治癒薬は薬師が作ったものだ。
材料は主に薬草や鉱石で、魔法の力と組み合わせて調合される。
なので薬師は魔導士が多い。
この薬のおかげで、冒険者はケガや体力、魔力を即座に回復できる。
しかし、薬草で作られる解毒剤は毒を消すことはできても、病気に関しては無力だ。
それゆえ、多くの病気は不治の病とされ、人々は諦めるしかない。
それに対して、薬剤師が調合した薬は、不治の病とされた病を治すこともある。
しかも魔力に左右されないので、知識さえあれば誰でも量産できる。
ラディソス限定で販売されるその薬は、次々と新しい治療法を生み出してきた。
ただし、体力や魔力の即効回復という点では、従来の薬師のポーションやマナポーションの方が優れている。
ケガの回復速度も、ポーションには敵わない。
どちらも一長一短だが、
「私の作る薬はケガも体力も即効性で回復させるわ」
「凄いなルナさん!」
天才がここにいた。
「ふふ。ありがとう」
色気を帯びた微笑みが、保健室の柔らかな光に反射する。
「魔法の発展は素晴らしいけど、薬の可能性は無限大よ? 魔法での回復では病気は治せないし、完全に回復できない人のほうが多いわ。それに対して薬剤師の薬は再現性がある。だから多くの人たちの助けになると私は信じているの」
信念に満ちた言葉に、俺たちは心を揺さぶられた。
「あらあらごめんなさいね。ちょっと喋りすぎてしまったわ」
「い、いえ。感動しました! またお話を聞けたらと思います!」
全員が同じ気持ちだった。
「ふふ。ありがとう、皆さん」
ピンポンパンポーン。
おや? 保健室の静寂を破るチャイムが鳴った。
「只今より、小等部の模擬クエストを行います。親族の出演がない方でもお時間ございましたら是非ご観覧ください」
小等部! ということは…。
「ブランの試合を見に行こう!」
ウェルパーティーが集まった理由は、弟子たちの応援だけではない。
小等部に入学したブランの活躍を見届けるためだ。
小等部は人数が少なく、規模は小さいが、中等部と同じ日に行われることが多い。
保健室で疲れを癒やした生徒たちは待機し、俺たちウェルパーティーは小等部の会場へと足を向けた。
しかし、その会場がまさかこんな惨劇となるとは…。
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