299.優秀な学級委員の場合(7)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「何をしている!!」
ベネットが叫ぶ。
予定外のことで止まっていたフレイザーは、瞬時に詠唱を開始する。
「毒魔法【ヴェノムキャノン】」
「おわ!?」
バシャーーン!!!
またもやイザベラは無詠唱で中級魔法を放つ。
【ヴェノムキャノン】は中級の毒魔法で、初級毒魔法【ヴェノムショット】の強化版だ。
濃緑の毒の弾丸が空気を切り裂き、ステージに毒霧が立ち上る。
フレイザーとベネットのコンビネーションは完全に封鎖され、二人の動きが一瞬止まった。
観客席から歓声が轟く。
「うぉぉおおおおお!!!!」
さらに会場は熱気に包まれる。
「なんということだーー!?!? A級冒険者レベルの逸材が学生でいるなんて誰が予想したことかーーー!?!?」
実況者ロムも興奮して叫ぶ。
「うぉぉおおおおお!!!」
ベネットの隙を突くかのように、レスターが攻撃を仕掛ける。
「舐めるなぁ!!!!」
ガキーン!!!
剣と刀が激しく打ち合い、火花が散る。
しかし、受け止められて逆に反撃される。
ズガガガガガ!!!!
「ぐっ!!」
やはりベネットは強い。
座学も魔法レベルもトップクラスだが、剣術は特に頭一つ抜けている。
「やはり温室育ちだな!! その程度の剣術で私に勝てると思うな!!!」
ズガガガガガ!!!
押されていくレスター。
「私はもう…スラム街には戻らない!!! 戻りたくない!!!!」
スラム街には戻りたくない。
その一心でこれまで血に滲むような努力を積み重ねてきたベネット。
ただの天才ではない。
ただの卑劣で卑怯者ではない。
生きたいという執念の塊だ。
「…君の過去には同情する…だが! 弟を…アロルドをいじめていい理由にはならない!!」
ガキン!!!
レスターはベネットの猛攻を刀の鞘で受け止めた。
「な!?」
予想外の動きに、ベネットは一瞬戸惑う。
鞘を戦闘に使うことは、この国では常識外れの行為だ。
通常、鞘は剣を納めるための道具で、剣撃を受け止められるほど頑丈ではない。
ドガ!
「ぐあ!!」
一瞬の隙を見逃さず、レスターはベネットの腹を蹴る。
カチャ。
距離を取ったレスターは刀を納める。
「…!? 何を!?」
この国では武器を鞘に納めることは戦闘放棄に等しい。
だが、刀の場合は違う。
抜刀の構えを作り、次の一手を準備していた。
「滅魔流【魔翔一閃】!!!」
ギュン!!
ズガーン!!!
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