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287/620

287.優秀な学級委員の場合(1)

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 【レスター・マーティン】。

 金髪で短めの髪を持つ人族の少年だ。

 整った顔立ちに知的な瞳、清潔感のある立ち姿。

 個性が渦巻くGクラスをまとめ上げる、頼れる学級委員でもある。


 剣術も魔法も高いレベルで扱え、前回の座学テストでは学年3位。

 しかも、誰が見ても美少年。

 運動もできて、勉強もできて、顔までいい――世の中、不公平ってやつだな。


 ……俺も、学生の頃にこんなスペックがあったら、人生もう少し楽だったのかもしれない。


 だが不思議なことに、彼は“学年トップクラスの成績”を持ちながら、なぜかGクラス所属。

 落ちこぼれクラスに自ら進んだのか、何か事情があるのか。


 そんなことを考えていた放課後――。

 夕陽が赤く差し込む廊下の先で、嫌な空気を感じた。

 石造りの壁に響く足音、ざわめき、押し殺した笑い声。

 視線を向けると、レスターが数人の生徒に囲まれている。


 ……またかよ!!!


 Gクラスの生徒たちは、なぜこうも目をつけられるのか。

 みんないい子たちなのに…。


「私を殴ってGクラス行きになった気分はどうだ?」


 黒髪のロングヘアー、そして嫌味な笑み。

 見るからに性格の悪そうな男子生徒が、レスターを見下ろしていた。


 こいつ……どこかで見た顔だな。


「男爵家が侯爵家であるベネット・シップマン様に逆らうなんて何事だ!」


 その取り巻きの一人が声を上げた。

 ああ、そういうことか。


 【ベネット・シップマン】。

 侯爵家の長男で、学院内でも“天才”と呼ばれている生徒だ。

 剣術も座学も一流。

 これまでの定期テストでは常に学年1位――だった。


 だが、前回のテストでその牙城は崩れた。


 学年1位 イザベラ・アルノルト(Gクラス)

 学年2位 ベネット・シップマン(Aクラス)

 学年3位 レスター・マーティン(Gクラス)


 確か、発表のとき生徒たちが騒いでいた。

 「ベネット様が1位だと思ったのに!?」

 ……そう言っていたのは、目の前の取り巻きの誰かだな。


「謝るつもりはない! 実の弟を守るのは兄として当然のことだ!」


 レスターの声が廊下に響いた。

 怯むことなく、まっすぐ相手を見据えるその姿。

 どこか影を感じるが、強い信念が宿っていた。

 どうやら、ここには単なる喧嘩以上の“理由”があるらしい。


 だが――これ以上は放っておけない。

 教師として、そしてGクラスを預かる者として止めに入るしかない。


バッ!


「はいはい! ケンカはここまで!」


 俺は二人の間に割って入った。

 互いを突き放すように腕を広げると、取り巻きの一人が俺を見て言い放った。


「なんだこのショタワンコは!?」


「誰がショタワンコじゃい!!!」


 ……お約束のツッコミを入れる俺。

 このやり取り、いったい何回目だろうな。


「…Gクラスのウェル・ベルク先生か。なんの用だ?」


 ベネットが不機嫌そうに睨んできた。

 同い年くらいの顔つきだが、教師である俺に敬語を使う気はさらさらないらしい。


「用も何も生徒たちがケンカになりそうになったら止めに入るのが教師だろ?」


「教師がなんだ? 私は侯爵家だぞ? その私に命令するというのか?」


 ベネットの声は冷たく響き、廊下の空気が一気に張り詰めた。

 貴族社会の傲慢さが、そのまま形になったような態度。


 学院は“貴族も平民も関係なく、実力で評価する”という理念で設立された。

 だが――現実はまだ遠いらしい。

「面白かった!」


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