268.武術科志望の無口な魚族の場合(1)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
【レネー・ベヴァン】。
武術科志望の魚族だ。無口で「…」が多いが、魚族特有の身体能力だけでなく、感知能力も優れている。
そのおかげで目利きには自信があるとのことだ。
感知能力は種族由来というわけではなく、生まれつきのものらしい。
以前、レネーの武術を受けてラーニングした経験があるので、ある程度教えることは可能だ。
その武術は魚族に伝わる【海流拳】。
水のように滑らかに受け流し、大海原のごと拳を打ち込む技だ。
基本的に水属性の魔法を併用することが前提なのだが――
「…俺…魔力が…少ない」
レネーは魔力が乏しく、【海流拳】を長時間維持できないらしい。
魔力量が少ない魚族は珍しいのだという。
「…だから…一族でも…落ちこぼれ…」
「諦めるな! 魔力を使わない方法を探そう!」
落ちこぼれなんて言うな!
俺だってずっとそうだった。
異世界転生してエリスお嬢様に出会ったり、運が味方した部分もあるが、なんとかなる。
「…先生…俺…がんばる!」
やる気になってくれたようだ。
さて、魔力を使わずに武術を扱う方法はどうすればいいのか。
「あ!!!」
いた!
魔力を使わず武術を使う女の子!
さっそく試すことにした。
「レネー! 俺の手を掴んでくれ! 空間魔法ですぐにすんごい人紹介する!」
俺の勢いに押され、レネーは少し慌てながらも手を握る。
「ラーニング3つ同時発動!
【トリプルエクストラテレポート】!」
シュン!
トリプルエクストラテレポート――中級の空間魔法だ。
瞬間移動を3つ同時に行うことで、国外からでも自分の屋敷に到達できる。
シュタッ!
気付けば俺たちは屋敷の庭に立っていた。
芝生の青と石畳の灰色が、現実感を鮮明に彩っている。
「八極気功拳【寸勁・改(すんけい・改)】!!」
ズドーーーーン!!!
「ぐほぉああああああああああ!?!?!?」
到着と同時に腹に強烈な打撃を食らう。
俺はビューンと吹き飛ばされ、ドサッと倒れる。
手を握っていたレネーも一緒に吹っ飛んだ。
「うお!? 誰アルか!? …と思ったらウェル!」
目の前に立っていたのは、ロリっ子でチャイナ服、ピンクのお団子ヘアーの女の子。
ウェルパーティーのメンバーとして冒険者を務める【リン・テンテン】だ。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




