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261.Cクラスと模擬戦


追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 剣を使うのが苦手で、使い慣れている金属バットを扱うエイブ。

 しかし、学院の規則では【剣術科=剣】。その掟を破った彼は、結果として“問題児”扱いされ、Gクラスへと落とされた。


「いいですかウェル先生? 剣術科は剣を教えるところですよ? そうでなくても槍や斧など刃物のある武器を扱えるようにするところです。なのに金属バットですとな?」


 鼻にかかった嫌味な声が訓練室に響く。

 言葉を吐くたびに唇の端がいやらしく歪む——Aクラス担任、デーヴィッド・ファリントンだ。


「冒険者はクエストをこなして結果を出してこそ冒険者です。バットであろうと魔物を倒せれば問題ないはずですよね? それにハンマーを扱う冒険者もいます。打撃系の武器に差別はよくありませんよ?」


 俺も負けじと噛みついた。声が自然と低くなる。

 だが、デーヴィッドは鼻で笑うだけだった。


「なんと!? 金属バットを武器というのですか? はぁ…A級冒険者もレベルが落ちたものですなぁ! 野球がしたいのなら別の学校へ行ったらどうですかな?」


 この頭でっかちが!!

 そう喉まで出かかったが、拳を握って堪える。ここで感情を出したら、相手の思うツボだ。


「では、結果を出せば認めてくれるんですね?」


 静かながらも鋭く言い返す。

 沈黙のあと、デーヴィッドは顎を上げ、鼻で笑った。


「ほぅ? どのような結果を出すのですかな?」


 その瞬間、隣にいた別の教師が手を上げた。


「デーヴィッド先生! 私の生徒と模擬戦させてみましょう。そうすれば自分の言っていることが、いかに愚かであるかわかるはずですから!」


 にやりと笑うその男は【ニコロ・ティーポ】。

 ずんぐりした体形に丸い眼鏡、脂ぎった額をハンカチで拭いながら、まるで子分のようにデーヴィッドの後ろにいつもくっついている。だが見た目に反して、元S級冒険者という経歴を持つ。


「それはいい! ぜひとも身の程を教えて差し上げなさい!」


「…望むところです!」


 というわけで、Cクラスの生徒とエイブの一対一の模擬戦が決まった。


_______________________



 会議後、その知らせが教室に伝わった瞬間、Gクラスはざわついた。


「やっぱ揉めちまうのかー…」


 エイブはぼやく。実はエイブ、もともとCクラスにいた。だが、そこで担任のニコロと揉めてGクラスに落とされた。つまり今回の模擬戦は、単なる試合じゃない。【因縁の決着】だ。


「大丈夫だ! エイブは3ヶ月前よりずっと強くなっている! 問題なくぶっ飛ばせるはずさ!」


 この3ヶ月、彼は本当に変わった。強くなっただけじゃない。顔つきも、眼の光も違う。


「いつもの勢いはどうした熱血リーゼント野郎。絶対勝ってこい!」


 口は悪いが、バースなりのエールだ。

 その言葉にエイブは小さく笑い、拳を握り返す。


「大丈夫! 勝てるさ」


「自分を信じてくださいませ」


「けちょんけちょんにしてやるニャー!」


「思いっきりやってくるのだ!」


「…問題ない…」


「…眠い…」


 レスター、シルビィア、ニャウンシェ、アンブル、レネー、そしてイザベラ。

 順に声援を送っていく。イザベラだけは相変わらずマイペースだが、全員の眼差しには確かな信頼が宿っていた。


_______________________


 そして翌日。


 朝露がまだ消えきらない訓練場の空気は、いつもより重く張り詰めていた。

 観客席には教師たちと上級クラスの生徒が並び、見下ろす視線の中でエイブは静かにバットを構える。


 バットの銀面に差し込む陽光がきらりと反射した。

 その光はまるで、「もう俺は過去の自分じゃない」と言っているように見えた。


 Cクラスとの模擬戦——いよいよ始まる。

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