26.ショタワンコVSオークロード
第一部完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
俺はゲルドさんとエリスお嬢様を、安全な場所まで連れ出して森の奥に残してきた。
周囲には木々がざわめき、折れた枝や焦げた葉が戦いの爪痕を残している。
ここから先は――かなり激しい戦闘になるだろう。
森の空間を切り裂くように戻った俺の目の前には、オークロードが立っていた。
まるで俺の到着を待っていたかのように。
「ウェル・ベルク!!!!」
叫ばずとも、戦いのゴングは鳴っている。
こいつは普通の魔物ではない。
おそらく膨大な魔力で作り出された模造の存在だ。
ダメージを与え、魔法で作られた魔力を削れば、
俺の闇魔法【マナドレイン】が効くはず。
そして、魔力を吸収すればビリーも元に戻る――。
だから戦って弱らせるしかない。
手荒だが、許せ、ビリー。
剣を二本鞘に収め、俺は【ラーニング】を発動させた。
「ラーニング二つ同時発動!
【ドラゴンクロー】、毒魔法【ヴェノム】。
合成!【ポイズンクロー】!!」
グリーンドラゴンの爪攻撃に毒魔法を融合させた技だ。
森の木々の間に火花が散り、地面の苔が揺れる。
ズバン!!!
「ぐおおおお!!!」
素早さは俺が上。攻撃はモロに命中した。
「毒の影響で再生を追いつかなくしてやる!」
まずは毒魔法で再生を相殺する。
再生能力に任せていたら、戦いは永遠に終わらない。
「す、すげえ…」
「今のはゲルドさんの渾身の一撃に匹敵するぞ!」
木漏れ日を背に、冒険者たちが驚嘆の声を漏らす。
確かにSランクの技だが、消費魔力も膨大で多用は難しいだろう。
「これでついでに動きが鈍くなってくれれば…。
…あ…あれ?」
オークロードは近くのハイオークを無造作に食べ始めた。
「うわ…何してんだ…?
まさか…!?」
食べ終わると、傷はみるみる治り、毒の状態も消えた。
「ぐおおおお!!!
ウェル・ベルク!!!!
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!!!!!!!!!」
斧が振り下ろされる。
その威圧感に森の木々も震え、土煙が舞い上がった。
俺は鞘から剣を一本抜き出す。
「ラーニング二つ同時発動!
【剛剣】【サンダーボルト】
合成【雷の剛剣】!!!!」
雷が剣先を走り、空気が裂けるような衝撃と共にオークロードの斧と激突する。
ズガガガガガーン!!!!!!!!
周囲の木々は衝撃で揺れ、雷鳴が森全体に轟き渡る。
「な、なんて戦いだ…」
「俺たちも負けてられねぇ!!
残りのオークを退治するぞ!!!」
他の冒険者たちの戦意も再び燃え上がった。
だが、俺はすぐに体格差を痛感する。
「グギギギギギ!!!!」
オークロードの身長は約六メートル、俺は150cmほど。
パワーで押し返すのは不可能だ。
斧を剣で滑らせ、地面に叩き落とす。
シュン!!
瞬間、オークロードの懐に飛び込み、攻撃を叩き込む。
「ラーニング二つ同時発動!
【剛剣】【ドラゴンクロー】
合成【竜爪の剛剣】!!!!」
竜の力とゲルドのパワーを融合させた一撃。
森の地面は爪の衝撃で裂け、土と葉が舞う。
しかし、オークロードは倒れない。
「ぐおおおお!!!」
Sランクの耐久力――こいつのタフさは尋常ではない。
斧を振り回し、俺はそれをかわし、剣で受け流し、カウンターを狙う。
だが、ハイオークを吸収したことで更に頑丈になっていた。
「ラーニング二つ同時発動!
【迅剣】【ドラゴンクロー】
合成【竜爪の迅剣】!!!!」
高速の斬撃を浴びせるも、再生の前では決定打にならない。
「ぐおおおお!!!」
こいつのスタミナは無限か。
俺の魔力も尽きかけている。
ここで手を止めれば、再生で戦況は元通りだ。
ならば――近くのオークの魔力を吸収する。
「闇魔法【マナドレイン】!」
魔力を吸い取り、体力と魔力を補充する。
だが、他の冒険者がオークを倒したため、吸収できる相手は限られている。
それでも、弱ったジェネラルオークを見つけると――
「空間魔法【テレポート】」
瞬間移動で背後に回り、一撃で首を落とす。
「闇魔法【マナドレイン】!!!!」
成功だ。
魔力が体内に流れ込み、力が戻る。
続けて、オークロードの元へ戻り、攻撃を繰り出す。
「ラーニング二つ同時発動!
【ドラゴンクロー】【ファイアブレス】
合成!【火炎竜爪】!!」
炎に包まれた爪がオークロードに襲いかかる。
ズドーン!!!
まだまだ手ごたえはある。
「ラーニング二つ同時発動!
光魔法【フォトンショット】【迅剣】
合成!【光の迅剣】!!」
光の高速剣技で連続攻撃。
魔力を吸収しつつ、何度も繰り返す。
だが、決定打には届かず、オークロードは再生を続ける。
「はぁ…はぁ…」
俺の疲労が先に限界を迎えそうだ。
オークロード――危険度Sランク。
グリーンドラゴンよりもタフで、オークの数も減ってきた。
参ったな…。
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