表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

242/620

242.魔眼

第12章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「…やっと効いてきたね... …闇魔法…【ネロデュジェイ】の中に遅延で仕掛けたのさ。闇魔法【グラビティホールド】をね」


 足元の石畳が軋み、シンティアの動きがわずかに鈍るのがわかった。


 【グラビティホールド】。

 重力を操り、対象の身体を見えない鎖のように縛る闇魔法だ。

 俺はその効果が遅れて発動するよう、最初の一撃に仕込んでいた。


 そうだ。俺たちはまだ終わっちゃいない。

 この戦争を止めるために——まだ、立ち続けるんだ!


「うおおおおおおおおおおおお!!!!」


 ズガガガガガガガガガ!!!


 ズババババ!!!


 闇の重力に縛られたシンティアの動きに完全についていける。

 俺の斬撃が光の軌跡を描き、何度も命中する。


「くぅ! 多重魔法障壁もまだ展開できない!」


 魔族の多重魔法障壁は、一度破壊されると再展開まで五分かかる。

 つまり今の彼は、完全に無防備な状態だ。


「…仕方がない...」


 シンティアが短く呟き、瞳を閉じた。

 その瞬間、全身から魔力の流れが一瞬消える。


「!? もらった!!」


 俺はその隙を逃さず、魔導霊気刀を振り下ろす。

 斬撃が閃光となり、シンティアへ一直線に走った——


 ガシッ!!!


「な…なに…!?」


 シンティアは剣を素手で受け止めていた。

 指先から雷が走り、剣身が軋む。

 その目が、静かに俺を見据える。


「…私をここまで追い詰めるとは…」


 ゆっくりと、彼の瞼が開いた。

 そこに浮かんだのは、赤く輝く八芒星。


「この【魔眼】を使わせたのはお前が初めてだ!!」


「ま…魔眼だと!?」


 雷光の中で、その声が妙に遠く響く。


「【魔眼】…100万人に1人...魔族の中で持つものが現れるという…まさかシンティアが魔眼を持っていたなんて!」


 ザイヤくんが息を呑んだ。


「そうだ。そしてまだ使いこなせないがこの魔眼の能力は…」


 バシュウ!


「え…!?」


 次の瞬間、俺の身体から光が消えた。

 魔導霊気のオーラも、アビスセイムの闇も。

 すべて、霧のように掻き消えた。


「相手の強化魔法を無効化する」


 ズドン!!!


「ぐぁ!!!」


 雷速の蹴りが俺の腹を打ち抜く。

 体が宙を舞い、背中から地面に叩きつけられた。


 ズドーン!!


「ぐっ…力が…出ない…」


 手が震える。

 魔力の流れが完全に遮断された。


「一瞬とはいえ私を超えるとは素晴らしい潜在能力だ。だがここまでのようだな」


 シンティアの声が冷たく響く。

 彼の輪郭が雷光に包まれて滲む。

 それでも俺は——


 俺はまだ、負けたくなかった。


 刀の柄を掴み、膝をつきながら構える。


「もう力は残っていないだろう...なのにまだやるというのか...」


「...諦めの悪さは...染み付いているからね!」


 心臓が焦げるように痛い。

 けれど、それでも立ち向かう。

 仲間と何度もピンチを乗り越えてきた。

 最後まで諦めなかったから、今の俺がいる。


「...そうか...ぐっ!!」


 突然、シンティアが膝をついた。

 その肩が激しく震えている。


「...力が抜ける...身体が軋む...魔眼の魔力消費と身体の負担はとんでもないな...」


 八芒星の輝きが消え、彼の瞳が元の色に戻る。

 たった数秒の発動でこの消耗——。

 そのリスクは、計り知れない。

 だから彼は、最後まで温存していたんだ。


 ガシッ!


「く!?」


 背後で風が唸る。

 シンティアの無防備な背中を、誰かが捉えた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ