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239.最強の魔法操作

第12章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 「ヒオラ様! 今までどちらに!?」


 中級魔族の兵が、ヒオラの姿を見つけて声を上げた。


「話は後! 戦況は!?」


 ヒオラはその場に立ち止まり、いつものおどおどした面影を消していた。

 その瞳には、指揮官としての鋭い光が宿っている。


「戦況はキツい状態です。やつら【魔封石】で武装し耐魔法対策を考慮した戦闘法を用いています。我々魔族には天敵と言えます」


「【魔封石】…子供たちの手錠に使われていた石ですか...戦争に持ち込めるほど改良が進んでいたのですね」


 ヒオラは苦々しく呟く。奴隷として捕らわれた子供たちの手首を縛っていた、魔力を封じる手錠。

 まさか、それが戦場の武器として使われる日が来るとは――。


「やつら【魔封石】の手錠を使って、できるだけ生け捕りしております。魔族を奴隷にして金にするのでしょう」


「…私は共存派ですが...これは頂けませんね」


 ズアアアアアア!!


 怒りと共に、ヒオラの体から濃密な魔力が噴き出した。

 冷気があたりの空気を震わせ、壁に薄く霜が張る。

 その圧に、中級魔族は思わず息を飲み、冷や汗を垂らす。


「すぐに向かいます」


 そう言い残し、ヒオラは空を蹴るように飛び出した。


_______________________


 ズドーン!!!


 地面が爆ぜ、土煙が上がる。

 前線では、魔族と人族が入り乱れて戦っていた。燃える城壁、折れた槍、散った血。


「ケケケ!! 生け捕りできなきゃ殺せ! 魔族の角は高く売れるから死体でも構わん!!!!」


 人族の兵士が、狂った笑い声を上げる。

 その目には理性の光などない。ただ欲望と狂気だけがあった。


「【不動の氷】」


 ヒュー…。


 その瞬間、風が止んだ。冷たい風が兵士たちの足元をなでる。


 ピキーン!


 凍結音。足元が瞬く間に氷に覆われる。


「な、なんだと!?」


 兵士たちの動きが一斉に止まった。数十人の足が、氷に縛られたように動かない。


「足元を狙いなさい! そうすればあの厄介な盾で魔法を防ぐことは至難の業!」


 ヒオラの指示が飛ぶ。

 彼女は人族の構造を理解していた。魔封石の盾は上半身を守るが、地面への対処が遅れる。


「馬鹿め! 盾を地面につければ問題ない! それにこの氷に当てるだけでみるみる溶けていくぜ!」


 兵士たちが慌てて盾を地面に押し付けると、確かに氷がジュウジュウと音を立てて溶けていく。


「そしたら上ががら空きですよ。【凍てつく柱】」


 空気が震えた。

 次の瞬間、兵士たちの真上に巨大な氷柱が十数本、音もなく現れる。


「ま、待て! これじゃ防ぎようが!!」


「死んでいった同胞たちに侘びなさい」


 ヒオラは静かに呟いた。


 兵士の叫びもむなしく、氷柱が一斉に落下した。

 しかも真っ直ぐではない。ヒオラの魔力に導かれるように、曲がり、回転し、盾の隙間を縫って――。


 ズガガガガガガガガガ!!!!


 喉元、胸、こめかみ。

 防御の要である魔封石の盾を完全に無視して、氷柱が急所だけを正確に貫いた。


「ぐぁ...」


 悲鳴を上げることもできず、兵士たちは瞬く間に氷の彫像と化した。


「私は魔族一。魔法操作が上手いと評判なんですよ?」


 吹き荒れる氷の風が、彼女の髪をなびかせる。

 冷気の中で、彼女の瞳だけが炎のように燃えていた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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