229.雷速の対策
第12章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「...私が攻撃することをわかっていたのだな? 固有魔法【グラキエース】。
完全無詠唱で一瞬にして氷を作り出す最上級の氷魔法を使っても私の速さには程遠いからな…」
「...わかって…いました! やはりとは思っていましたが...触れた物を全て凍らせる魔法なのに凍らないですね…」
ヒオラの【凍結の壁】は防御だけでなく、触れたものを凍らせる特性を持っていた。
「雷には熱がある。このくらい相殺できるさ。それに本気を出せばこの薄い壁一枚造作も...」
ヒュン!!
「!!」
パリッ!!
俺はシンティアの言い切る前に斬りかかる。しかし、その動きは雷速で避けられた。大広間の石壁にかすかな振動が走る。
「2人は今のうちに魔王城から去るんだ!」
「ウェル!! 任せましたわ!」
リーズとヒオラは大広間の端から脱出していった。彼女たちの背中を見送りながら、俺はシンティアに集中する。
「…ウェルくん...本気のようだね…残念だ!」
0.0000002秒経過。
ズガーン!!!
「ぐっ!!」
雷の速度で迫る拳を受けたかのように見えたが、
「なんだと!?」
俺は剣でそれを受け止めていた。
「ばかな!? なぜ!」
パリッ!
シンティアは距離を取り直す。
「いくら強いとはいえ私の速さを知覚できるはずがない!!」
パリッ!
0.00000001秒。
シンティアはさらに速度を上げ、20倍で突進してくる。
ガキン!!
俺は剣で攻撃を逸らし、懐に手を置く。
「八極気功拳【発勁】!!!」
ズドン!!!!
俺の【気】による一撃がシンティアに入るかに思えた。
「...まさか…私の攻撃を逸らしただけでなくカウンターをするとは…」
効いていない。
「...多重魔法障壁か…!」
多重魔法障壁。魔族なら誰もが持つ自動防御魔法だ。魔力量に比例するので、シンティアのものは魔族トップクラスの硬度を誇る。
「...なぜ...私の【雷速歩法】についてこれる...?」
驚愕の表情を浮かべるシンティア。
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魔王城に向かう道中、俺たちはシンティアを倒す作戦を話し合っていた。
「魔族にはテレパシーのような魔法を盗聴できる者が多いから使わない方がいいよ」
「不便なのじゃ!」
「テレパシーが使えれば便利なのに…」
「今からシンティアの魔法を説明するね!」
ザイヤくんと俺は歩きながら作戦会議を進める。
「シンティアの固有魔法【ドルジェ】。肉体を半雷化させて雷の性質を得る魔法だ。得意技【雷速歩法】は対策なしで突っ込むと一瞬で敗北する」
「【雷速歩法】?」
「簡単に言うと雷と同じ速度で動ける」
「チートじゃん!!」
ザイヤくんと俺は互いに顔を見合わせる。
「ただこのスキルには弱点があってね。シンティア自身も知覚できないんだ。だから雷の速度で動く前に次の移動先を決めている」
「視線、魔力に気を配れば次の行動が予測できる...ということですね」
ココが俺の代わりに答え、ギルドバトルのときの経験を思い出す。
「そういえば…テンちゃんは瞬間移動する相手に【気】で位置を把握したって言ってたな…使えるかも!」
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そして今。
「【気】の方がわかりやすい!」
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