表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

221/620

221.運命の日

第12章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

――ここは魔族の頂に君臨する地、魔王城。


「シンティア様! おかえりなさいませ!」


 大広間の扉が音を立てて開かれると、1人の下級魔族が深々と頭を下げて出迎えた。


「あぁ、今帰った」


 シンティアは穏やかな声で答えながらも、瞳の奥には雷光が揺れていた。

 その両腕には、ぐったりとした二つの人影――テンテンとサヤの姿がある。


「シンティア様...そちらのもの達は...?」


 下級魔族は恐る恐る問いかけた。

 白銀の髪が揺れ、シンティアはわずかに顎を引いて応える。


「この者たちは人族に加担する悪だ。だが交渉材料として生かしている。牢に入れおけ」


 その声音には、冷徹さと理性が混じっていた。

 彼女はテンテンとサヤを殺すことなく、ウェルを仲間に引き入れるための交渉材料とするつもりだった。


 雷速の魔法を操るシンティアは、テンテンたちとの戦闘を終えてからわずか10分足らずで魔王城に到着していた。


「は! 承りました!」


 部下たちは慌ただしく動き、倒れた二人を拘束して牢へと連れて行った。

 雷の音が遠くで鳴り響き、シンティアの表情に一瞬の影が落ちる。


_______________________


 それから1ヶ月後。


「ふ~やっと魔王城についたね~」


 疲れた声を上げるのはココ。

 その後ろで、ウェル、エリス、そしてザイヤが並んで歩いていた。


「ザイヤくんの方向音痴がなかったらもっと早くついていたよ...」


「全然道案内にならなかったのじゃ!」


「少し目を離すとすぐ迷子になりますからね」


 道中の惨状を思い出し、3人が同時にため息をつく。

 ザイヤくんの方向音痴は想像絶するものだった。


「まぁその分、【深淵の闇魔法】の練習になったから良いじゃないか」


 俺は微笑みながら肩をすくめた。

 この旅の間、彼はザイヤから直接魔法の制御法を学び、暗殺作戦の準備を着々と進めていた。


「ザ、ザイヤ様!? まさかこんなに早く帰還するなんて!?」


 門番の下級魔族が目をむき、慌てて敬礼する。


 その直後、城中に響き渡る叫び声。


「た、大変だーー!! ザイヤ様が二番目にご帰還なされたー!!」


「な、なんだって!?!? あの方向音痴のザイヤ様が!?!?」


「槍の雨が降るぞ!! 総員災害に備えろ!!」


 なんかとんでもなく失礼な歓迎!?

 一応この人、序列2位なんだけど!?

 どうやら、六魔将軍(グルークゼクス)で帰還したのは俺たちで2番目の到着ということか。

 それが極度の方向音痴であるザイヤくんが到着したから大騒ぎ。


 1ヶ月あったとはいえ距離も魔王城とはバラバラだろうからな。


 パリッ――。


 空気が弾けるような音がして、閃光が門前に走った。


 シュタッ!


「ザイヤ! 戻ったか!」


 電光の残滓の中から、白銀の髪をなびかせた男――シンティアが現れた。

 その動きは雷そのもの。視線を向けた瞬間には、すでにそこに立っている。


 これがザイヤから聞かされていた固有魔法【ドルジェ】。

 肉体を半雷化させ、稲妻のような速度と破壊力を得る能力。


 そして、今見せたのが得意技【雷速歩法】――雷光とともに移動する神速の術。


(まさか……本当に雷の速さで動くとは……)


 俺は息を呑んだ。

 城門前の空気が一気に張り詰める。


 そして、予期せぬ事態が――静かに幕を開けようとしていた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ