215.魔王の息子だった
第12章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「ということはザイヤは魔族の王子様!?」
思わず叫んだ俺の声が、風に溶けて遠くへ消える。
ということになる。
「まぁ…実感わかないけどね…」
ザイヤは肩をすくめ、燃え残った草を指でつまむ。その仕草がやけに落ち着いて見えた。
道理でむちゃくちゃ強いわけだ。今まで戦ってきたどの魔族よりも格が違う。
「表向きは寿命…ということになっているけど、僕は殺されたと踏んでいる。魔力残滓を正確に感知するのは魔族一得意だからね」
「...ということは…!」
胸の奥がざわつく。共存派のトップが殺されるとしたら、理由は一つしかない。
「…戦争派による暗殺…ですね…?」
静かに答えたのはココさんだった。
彼女の声には怒りと悲しみが入り混じっていた。
「…そう…高レベル魔族の集団による暗殺だった...」
「高齢で弱っているとはいえ魔王じゃ。そのくらいでやられるものかのう?」
エリスお嬢様が眉をひそめる。
ご老体とはいえ、かつて世界を震わせた魔王だ。奇襲を受けても容易くは倒れないはず。
「…それを可能にする魔法の天才がいるんだ。六魔将軍の序列1位。天雷の【シンティア】。シンティアはすでに現役のころの魔王と同等の力を持っているんだ」
ザイヤの表情は硬い。焔の揺らめきがその頬を赤く染めていた。
つまり実質、魔族のNo.2ということか。
「そして、魔力残滓の隠ぺいを僕は解析した。その結果、30%の確率でシンティアだということが分かったんだ」
「しかしそれだけでは…」
30%一致しただけでは証拠としては弱い。だが、ザイヤの瞳に迷いはなかった。
「もちろん僕の仮説だ。しかし、問題はここから。シンティアが魔族の実権を握ってから戦争は活発になった。つまり、どういうことかわかるかい?」
「…シンティアは…戦争派ということですね」
ココさんが静かに頷く。
夜風が吹き抜け、焦げた地面をなでた。
「そう、だから戦争を集結させるにはシンティアを止めなければならないんだ。そう思って何度も話し合ったんだけど聞いてもらえず…」
だから――暗殺。
その選択が、彼をここまで追い詰めたのか。
「…でも…仲間だろ…?」
思わず問い返していた。
父親を殺した疑いがあるとはいえ、同じ六魔将軍。戦場で見た彼らの結束は、偽りには見えなかった。
「…僕が…暗殺を決意したのは、彼の本性を知っているからだ。そう…シンティアは…共存派の魔族をこっそり殺していたんだ」
な、なんだって!?!?
衝撃が頭の中を駆け巡る
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