210.深淵の実力
第12章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
バッ!
俺は一瞬距離を取り、全力で魔導霊気を集中させる。
「【腐食の脱力】解除!! 【ディアブロシー】を魔導霊気刀に【エンチャント】!!!」
多重魔法障壁を破壊するための【ディアブロシー】を、魔導霊気刀にエンチャントする。
これで同時発動せずとも、ラーニングと組み合わせてさらに戦術の幅を広げられる。エンチャントを完了した今なら、【ディアブロシー】もエンチャントも使っていない状態と同じで、あと二つの魔法を組み合わせることができる。
「滅魔流【鋼魔斬閃】上級炎魔法【インシネレート】合成!!
【鋼炎魔・斬閃】!!」
ズドーン!!!!
バリーン!!!
灼熱の炎がザイヤを包み、木々を粉砕する衝撃波が森全体に走る。
ザイヤは避けることなく直撃を受け、多重魔法障壁を破壊した手応えが伝わる。
今度こそやったか――!?
「いやーびっくりしたよ。もう少しでやられるかと思った」
「な!?」
信じられない。
多重魔法障壁を破壊したが、俺の全力斬撃を、ザイヤは指先だけで受け止めていた。
さらに髪は漆黒に染まり、目の色も変わり、姿が禍々しく変貌している。魔力の質も桁違いだ。先ほどよりもどす黒い闇の気配が辺りを支配する。
「シンティアと父さん以外でここまで戦える人がいるのは初めてだ。闇魔法【デスレート】」
賞賛の言葉を放ったかと思うと、ザイヤの人差し指が黒く光り出す。
「んな!?」
ズキューン!!!
ドゴーーーン!!!
俺は何とか寸前で避ける。
俺たちの時代で戦った魔族【ジャック】の【デスレート】とは比べ物にならない。
森が無惨に消し飛び、無詠唱でこの威力を平然と連発する。
「よく避けたね! さすがだよ」
まさか…手を抜いているのか? なぜだ…?
「そろそろ君の真の力を解放してほしいな」
「…俺の真の力…?」
何を言っているんだこいつは…。いや、まさか…わかるのか?
俺のもう一つの切り札――【深淵の闇魔法】を。
だがピエールとの戦い以降、使うことは避けてきた。感情が極限まで追い込まれると自動で発動するらしいが…。
「追い込めば使ってくれるのかな? 闇魔法【ネロデュジェイ】」
ズァァァァァァ!!!!
周囲が一瞬にして漆黒の闇に包まれる。
「な、なんだ!?」
目の前は真っ暗闇。ザイヤの姿も見えず、世界が閉ざされたかのようだ。
足元の地面も、風景も、音も――全てを闇が覆い尽くす。
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