201.国は消滅した
第11章完結です!
次回は6/3より投稿しますのでお楽しみに!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
魔族たちは全員、重い足取りで城の中へと移動していった。
破壊された石畳の上には、黒く焼け焦げた痕が幾筋も残り、焦げた匂いが鼻を突く。
数時間後。
俺たちは城下町の外――つまり国の門番が立つ外縁部で、アーサーさんの話を聞こうとしていた。遠くでは風に乗って、まだ火の粉がちらほらと舞っている。
「アーサーさん…話があるのですが…」
俺は息を整えながら、戦いの終わりに安堵していたアーサーさんへと声をかけた。
「ん? どうした?」
首を傾げるアーサーさん。その肩の上で、ユガレイくんもまるで鏡のように首を傾げる。思わず笑いそうになった。
その瞬間だった。
ズドーーーーーーーーーン!!!!!!!!
大地が揺れ、空気が一瞬で焼けた。
黒く禍々しい光柱が天から落ち、爆発というより「世界が裂けた」としか言えない衝撃が走る。耳鳴りが止まらず、視界が白く塗り潰される。
次に見たとき――そこに、城も街も、何もなかった。
スカラオゴ王国は、まるで最初から存在しなかったかのように跡形もなく消し飛んでいたのだ。
「な…!?」
「え…!?」
アーサーさんも、俺たちも声を失った。
ついさっきまで人々が笑い、兵士たちが立っていた場所が――ただの更地になっている。
「どう…なって…」
アーサーさんが膝をつく。
握った拳が震えていた。守るべき国も民も、一瞬で失った絶望がその背中に重くのしかかる。
「上に何かいます!」
ココさんの声が張り詰めた空気を裂く。
見上げると、黒雲を背景に、数人の魔族が羽ばたいていた。
その腕には、先ほど倒した魔族たちや、奴隷にされていた魔族の子どもたちの姿があった。救出――いや、奪還か。
「勝手なことをしてやられるなんてびっくりだよ」
「…イヤミを言うなら俺を放り投げろ…」
ヴァンは小柄な魔族に抱えられながら、悔しそうに言い返す。
「さて、僕らに気づいているそこの者たちはどうしようか…」
その声が響いた瞬間、全身を締めつけるような圧力が襲った。
「な、なんだ!?」
息が詰まる。地面の砂が浮き上がり、空気が唸る。
目の前の魔族――ヴァンよりも小柄なのに、魔力の密度が桁違いだ。
スカラオゴ王国を消し飛ばしたのは、こいつか!?
「ヴァンを倒したのはそこの犬族かい? 名前を聞こうか」
俺を見ている。視線だけで、心臓を掴まれたような錯覚に陥る。
「…ウェル・ベルク!」
「僕は六魔将軍の序列2位、ザイヤ。ウェル・ベルクか…覚えておくよ!」
冷ややかな声。
次の瞬間、空間がねじ曲がり、闇の裂け目が開く。ザイヤとその仲間たちは、そこへ吸い込まれるように姿を消した。
残されたのは、焦げた風と静寂だけ。
ザイヤ――国を一撃で滅ぼすほどの力。
それで序列2位なら、1位は一体どれほどの存在なのか。
その上に君臨する【魔王】とは…。
もし、あれと戦う日が来たら――俺は、勝てるのだろうか。
ラーニングにより習得
風魔法【ストームチェイン】
超級風魔法【ゲイルランパート】
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