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200/620

200.決着!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「【魔導霊気・斬閃】!!」


 ズバッ!!


「ぐあああぁぁぁぁ!!!!!!!!」


 ついに、ヴァンに一太刀を与えた。

 空気が震えるほどの衝撃。彼の身体が弾き飛ばされ、血飛沫が風の中に散る。


 やはり――魔族は接近戦が苦手。

 防御障壁を失えば、いかに強大な魔力を誇ろうと肉体は脆い。


 ヒューン。


 ヴァンの体は空を切り裂くように落下し、


 ズドーン!!!


 大地を抉る轟音とともに、土煙が舞い上がった。

 衝撃波が砂利を弾き飛ばし、周囲の木々を揺らす。


 パァ!


「はいはーい! 強制解除~!」


 レナの明るい声とともに、融合が解ける。

 俺とレナの身体を包んでいた光が弾け、二つの影が分離した。

 いつも絶妙なタイミングで解除してくれる。助かった――。


「はぁ…はぁ…」


 呼吸が荒い。ダメージはほとんど無いが、魔力の消費が尋常じゃない。

 魔導霊気と超級魔法を同時に扱う――その負担は想像を超えていた。


 スタッ。


 膝を軽く曲げて地面に着地。


「か、勝った…!」


 アーサーさんが呟く。

 その声には驚きと安堵、そして信じられないという色が混じっていた。


「勝ったぞーーー!!!」


 次の瞬間、仲間たちの歓声が爆発した。

 瓦礫の陰や倒れていた魔導士たちが次々と顔を上げ、

 歓喜と驚愕の入り混じった声を上げる。


「すげーぞあの子ども!」

「こんな凄い戦いは初めてだ!!」


 焦げた地面の上に漂う硝煙の匂い。

 負傷していた者たちも目を覚まし、俺とヴァンの戦いの結末を見届けていた。


「ま、まさか…ヴァン様が…」


 アーサーさんたちに倒された魔族の一人が、

 血に染まった口元を押さえながら震える声を漏らした。


 ガチャッ!


「今だ! 【魔封石の手錠】をはめるんだ!」


 アーサーさんの号令が響く。

 彼は自ら倒した魔族の腕に【魔封石の手錠】を嵌め、

 さらに部下たちにヴァンへの拘束を指示した。


「え? 【魔封石の手錠】!?」


 やはり、アーサーさんはその存在を知っていたか。

 あの忌まわしき手錠――魔力を封じ、自由を奪う道具。


 その手錠で魔族の子どもを奴隷として扱っていたとしたら……。

 魔人戦争の原因が、人族側にある可能性も否定できない。

 俺たちの仮説は、どうやら間違っていなかったのかもしれない。


「アーサーさん、後で話が…うっ!」


 ガクッ。


 膝から力が抜けた。


「主~今日は休んで話は明日にしなよ~」


 レナの声が、霞む意識の中に優しく響く。

 そうだ……魔導霊気、気、霊力――全てを限界まで使った。

 このままでは倒れる。今は休むべきだ。


 アーサーさんと魔導士たちは、テンちゃんが倒した魔族のもとへ向かい、

 同じように【魔封石の手錠】をはめていく。

 戦場の外、薄暮の空がゆっくりと色を変えていった。


「いやー結構強かったアルな! 魔族は!」


「かなり苦戦しました。テンテンさんがいなかったら危なかったです」


 テンちゃんとブランが並んで歩いてくる。

 二人とも戦いの疲労を隠せないが、表情には充実感が浮かんでいた。


「拙者は姉上に会えて…ブホォ!!」


 サヤが突然、鼻血を噴き出した。

 なぜだ――というツッコミも入れる余裕はない。


「これで一件落着じゃな」


 ブランが呟く。

 襲撃に来た魔族は五人。

 全員、命はつながっている。血まみれの戦場にも、わずかな救いが残った。


「アーサーさんにあとで話を聞かないと…」


 戦いの終息とともに訪れた静寂。

 その中で俺は、次に起こることをまだ知らなかった。


 ――事態は、ここから一変する。

「面白かった!」


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