199.超級風魔法【テンペスト】
第11章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
俺はヴァンの強力な風の結界へ斬撃を叩き込んだ。
バチン!!
鋼と鋼がぶつかるような反響音。次の瞬間、剣が弾き返され、
俺の身体は空気の渦に乗って大きく後退した。
「うわぁ!」
ヒュン!
足元の砂塵を巻き上げながら、数メートル後方まで滑る。
ヴァンを包む風の結界は、乱気流が複雑に絡み合い、
まるで竜巻の巣に突っ込んだかのようだった。
剣の軌道を狂わせ、斬撃の力を殺すように押し返してくる。
「我が名において来たれ風の精霊
暴れ狂う獰猛どうもうの瞳、
荒ぶる亡者の古いにしえ、
為す術なく空に舞い、
切り刻む大気よ、
巻きつく大気よ、
絶える大気よ、
滅する大気よ、
震え上がる罪知らぬ愚か者たちに、
真理の鉄槌を与えるため、
今一度一つとなり、
不遜なる万象とともに爆風となれ、
超級風魔法【テンペスト】!!」
くそ!
詠唱が完成した!
ヴァンの周囲の空気が唸りを上げる。
上空に黒雲が渦を巻き、そこから、さっきよりも一回り大きな暴風の塊が生まれた。
荒れ狂う空が地面を抉るように震える。
「魔力完全解放状態による完全詠唱の超級魔法だ!
先程よりも2倍の威力があるぞ!」
ヴァンの叫びとともに、暴風の塊が膨張していく。
もしこのまま地上に落ちれば、都市ひとつが吹き飛ぶほどの災厄だ。
ならば――止めるしかない!
「受けて立つ!!」
ただ斬撃を放つだけでは、暴風の余波で地上が壊滅する。
魔法で相殺するしかない!
「超級闇魔法【シュヴァルツインフェルノ】。雷魔法【サンダーボルト】合成!」
闇の雷が腕にまとわりつき、刀身を走る。
風属性の弱点は雷――だが【サンダーボルト】は中級魔法。
対する【テンペスト】は超級魔法。格が違いすぎる。
魔導霊気でブーストしても、魔族の魔力は次元が違う。
人族の限界を超える必要がある。
ならば――闇と雷を一つに。
超級闇魔法【シュヴァルツインフェルノ】の黒炎を雷に乗せ、
破壊の光を生み出す。
「【獄炎の雷砲】!!!」
轟音とともに、黒炎と雷光が混ざり合い、
一本の巨大な光線となって嵐の塊に突っ込んだ。
カッ!!!
視界が真っ白に染まり、鼓膜が破れそうな爆音が轟く。
ズガーン!!!!!!!!!!
空が裂け、風と獄炎がぶつかり合い、天地が揺れる。
周囲の木々は吹き飛び、砂塵が空へと舞い上がった。
「馬鹿な…俺の最高の魔法が…」
ヴァンが愕然と呟く。
自身の全力を相殺された衝撃に、瞳が揺れていた。
「まだだ!!」
ビシュン!
地を蹴った瞬間、俺の姿は霞のように消えた。
風を切り裂き、ヴァンへ一直線に突進する。
この速度、この勢いで、結界ごと貫く!!
「【ディアブロシー】【ウィークネス】合成! 【腐食の脱力】!!」
ズガーン!!!!!
俺の両手から黒い霧が噴き出す。
【ウィークネス】の弱体効果と、魔を腐食させる【ディアブロシー】が混ざり合い、
触れるものすべてを侵す腐蝕の波が広がる。
「な…俺の最強防御が!」
ヴァンの叫びが風の中に掻き消える。
風の結界――超級風魔法【ゲイルランパート】が軋み、
多重魔法障壁も同時に砕け散った。
空気が爆ぜ、風が止む。
ヴァンの周囲に漂っていた魔力の膜が、霧のように消えていく。
だが、その瞬間、俺の身体も反動で揺らいだ。
力の衝突が互いを相殺し、膝がわずかに震える。
「【魔翔一閃】合成!!」
今しかない――!
近距離でとどめを刺す。
俺は魔導霊気刀を握り直し、ヴァンに突っ込んだ。
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