188.奴隷魔族
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「街を歩いて聞き込みしていたら奴隷商人に会ったアル! その奴隷の中に魔族の子どもがいたアル!」
「先ほどの魔族は殲滅させるべきだという話からは考えられないでござる」
テンちゃんとサヤの声に、一同の空気が一瞬で凍り付いた。
魔族の子どもが奴隷にされている――!?
「本当ですの!?」
リーズの瞳が大きく見開かれる。
「子どもとはいえ魔族じゃ。大人しく奴隷として従うなんて思えないのじゃ」
魔族は生まれながら人族の十倍の魔力を持っている。
小さな体に秘められた圧倒的な力は、戦闘経験のない人族に捕まるなど到底不可能。
たとえ捕まったとしても、魔族は従順にはならないはずだ。
「奴隷商人の話を聞くと【新開発されたアイテム】のせいみたいアル!」
【新開発されたアイテム】?
頭の中でアーサーさんの言葉を反芻する。
同じものなのか、偶然なのか――。
「魔族の子どもたちは【魔封石の手錠】をはめられていたでござる」
【魔封石】――。
テンちゃんとサヤの話によれば、これは最近開発された試作品で、魔力を封じる魔石だという。
手錠に加工され、はめられた者は魔法が一切使えなくなる。
鎖の冷たい鉄と黒曜石のような魔石が絡み合い、子どもたちの手首を締め付ける様子が想像される。
「過去に介入しちゃいけないとわかっていても…可哀想アル…」
「魔族とはいえ子どもを奴隷にするのは頂けぬでござるな」
確かにそうだ。
アーサーさんや魔導騎士団はこの事実を知っているのだろうか。
街の喧騒や遠くの城壁を背にした風景が、一層胸の重さを引き立てる。
「あとは最近のニュースだったりそんな感じネ!」
こうしてテンちゃんとサヤの報告は終了。
次はココさんとブランの話に移る。
「私たちもその【魔封石】の話を聞きました」
「なかなか興味深い話でした」
二人の語る声にも重みがあった。
「その【魔封石】を開発したのはオーブウロス王国に住む天才発明家【ラルス】という者だそうです」
「ラルスじゃと!? 間違いないのじゃな!?」
エリスお嬢様が突然声を上げる。
その瞳には驚きと緊張が交錯している。
「はい、お嬢様…ですがたまたま名前が同じということもあります」
ココさんも落ち着いた声で説明する。
「ラルス…その名は妾たちの時代では超科学都市【ラディソス】の最高権力者ではないか!」
「な、なんだって!?!?」
俺も思わず声を上げた。
こんなところで【ラディソス】の話がつながるとは。
それとも単なる偶然か――。
話によれば、オーブウロス王国は各国に【魔封石】を供給しているという。
戦争の影と新技術の影が交錯しているのか。
「魔導騎士団の間では、この【魔封石】を利用して魔族との戦争を終わらせようという話が出てきているそうです」
確かに【魔封石】があれば、魔法戦闘を得意とする魔族に対して圧倒的優位に立てるかもしれない。
これこそが、【魔人戦争】を終わらせるきっかけとなるのだろうか。
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