表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

178/620

178.上級空間魔法【ゲートテレポート】

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「先ほど話を聞きましたが、魔族と戦争しているとの事でしたわ。つまり、二千年前に終結した魔族と人族の戦争。【魔人戦争】の終わりごろの時代に、わたくしたちはやってきてしまいましたわ!」


【魔人戦争】。


 その名は、歴史の教本にも血のように刻まれた戦乱の記憶。

 俺たちが生きていた時代から数えて三千年前、世界を二つに分けた争いがあった。


 魔力に優れるが、数の少ない魔族。

 数に勝るが、魔力に乏しい人族。


 その均衡は千年という気の遠くなる歳月を費やしても崩れず、両者は果ての見えぬ地獄に沈み続けたという。


 そして今、俺たちが立つこの時代は、その終焉の直前――。


「…なんでこんな時代に…」


 思わず声が漏れた。

 怨みだの報いだのと呟きながら俺たちをここへ送り込んだ魔族【ジャック】。

 あいつはいったい何を伝えたかったのか。何を見せたかったのか。


「ここで話すのはなんだし街へ移動しようか」


 魔導士のギザールさんが、疲れた俺たちに穏やかに声をかけた。

 荒地の風にマントがはためき、夕陽が彼の杖に埋め込まれた魔石を淡く照らす。


「お、お願いします!」


 正直、俺は限界だった。

 ジャックとの戦いで身体は鉛のように重く、足を一歩踏み出すたび膝が軋む。

 それでも、荒野の向こうにかすかに見える塔や城壁の影が、わずかな希望のように胸を支えていた。


「全員配置につけ!魔石を使ってスカラオゴ王国に帰還するぞ!」


 ギザールさんの号令が響くと、周囲の魔導士たちが一斉に詠唱を始めた。

 その足元には、淡い青光を放つ魔法陣がじわりと広がっていく。


 ブゥン――。

 大地が低く唸り、空気がひんやりと震える。


「さぁ、魔法陣の中に入って」


「は、はい!」


 俺たちは互いに顔を見合わせ、恐る恐る光の輪の中へと踏み込む。

 眩い光が足元から噴き上がり、全身がふっと浮き上がるような感覚に包まれた。


「空間魔法【ゲートテレポート】!!」


 シュン!!


 光が弾け、景色が反転する。

 次の瞬間、目の前には広々とした石造りの部屋が広がっていた。

 天井は高く、壁には魔法文字が刻まれ、中央には巨大な転移陣の痕跡が淡く光を残している。


 空間魔法【ゲートテレポート】――。

 テレポート系列の中でも上級に分類される魔法だ。


「上級魔法は疲れるなぁ…」

「数人で魔石を使ってやっとだからな!」


 魔導士たちは額に汗を浮かべながらも誇らしげに笑っていた。

 どうやらこの魔法は、複数人と魔石の力を合わせてようやく成立するほどの大技らしい。


「驚いたか!? 俺たちは束になれば上級魔法が使えるんだぜ!?」


「…」


 俺は軽く口角を上げただけで黙っていた。

 固有魔法【ラーニング】のおかげで俺自身も上級魔法を扱えるが、わざわざ誇示する気にもなれない。

 それに、俺の周りには一人でこの魔法を使う国王ヴィヴィアンさんがいるのだ。


 今は彼らの誇りを尊重して何も言わないでおこう。


「よぉ!戻ったか!」


 重厚な声が部屋に響く。

 入口の方から、鎧に身を包んだ大柄な男が現れた。

 鋼のような肩幅に、大剣を背負ったその姿はまさに歴戦の戦士。

 しかし、彼の足元には不思議な存在がいた。


 【銀髪で黒い猫耳、緑と青のオッドアイをした小さな子供】。


 年の頃は四歳ほどだろうか。

 その異質な瞳が、好奇心と恐れの入り混じった光を宿しながら、こちらをじっと見つめていた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ