176.異空間の先には
連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ジャックの魔力の残滓が空間を歪め、黒い霧のように渦を巻いていく。
地面が割れ、闇が口を開けたかのように、次々と俺たちを異空間へと引きずりこんだ。
「うわああああああ!!!!」
重力が狂い、視界が暗転する。
体が浮かび、落ち、また浮かぶ。
まるで悪夢の中を漂うようだった。
俺、エリスお嬢様、テンちゃん、リーズ、サヤ、ココさん、レナ、ブラン――全員が声も出せぬまま、光のない奈落を落ちていった。
だが不思議なことに、異空間からの脱出はあっけないほど簡単だった。
「うわ!?」
ドサッ――と、体が地面に叩きつけられる。
「うげ!?」
「ぶほ!?」
「がふ!?」
テンちゃん、リーズ、サヤが次々と俺の上に落ちてくる。
待って!? 俺、疲労困憊なんだけど!?
「ここは…どこでしょう」
ココさんが周囲を見回す。
風が強く、空には鉛色の雲が流れていた。荒涼とした大地が広がる干ばつ地帯。
「見たこともない荒地じゃな」
エリスお嬢様が眉をひそめる。
確かに――どこだ、ここは……?
その時。
ズドーン!!!!
「な、何アルか!?」
地平線の向こうで爆発のような轟音が響いた。
風が震え、土煙が立ち上る。
「あちらですわ!!」
リーズが指差す先には、魔力の閃光が走っていた。
「あれは…魔族でござるか…?」
戦場では、一体の魔族が数人の魔導士たちと交戦していた。
魔導士たちは人族――服はボロボロで、憎悪の炎を宿した目をしている。
「おのれ!! 魔族が!! よくも俺の家族を殺したな!!! 絶対に許さねぇ!!!!!」
その一人が叫び、炎の魔法を放つ。
だが魔族はそれを容易く弾き返した。
魔族……。こんな場所でも、誰かの大切なものを奪うのか。
許さない!!!
戦況は徐々に人族側が劣勢となり、魔族の圧倒的な力に押されていく。
「死ね!!!」
魔族が高く手を掲げ、竜巻を巻き起こした。
風属性の上級魔法――その威力は砂丘をも削り取る。
「いかん! 拙者が行くでござる!」
サヤが地面を蹴り、疾風のように駆け出した。
「滅魔流【魔封一閃】!!」
ズバン!!!
閃光が走り、竜巻が真っ二つに裂かれる。
風が止み、砂埃の中にサヤのシルエットが浮かび上がる。
「んな!? 誰だ!?」
魔族が驚愕の声を上げる。
「よそ見している場合ではないでござるよ!」
サヤが地を蹴ると同時に――
シュバッ!
「八極気功拳【発勁】!!!」
ドガン!!!
テンちゃんの拳が魔族の脇腹に突き刺さった。
衝撃波が空気を裂き、魔族は地上に叩きつけられる。
「ぐあ!?!?」
地面が揺れ、砂煙が舞う。
しかし魔族はすぐに立ち上がり、牙を剥いた。
「く!? 何者だ!?」
血を吐きながらも、まだ戦意を失っていない。
「今だ!! 魔法を一気に浴びせろ!!」
人族の魔導士たちが詠唱を開始し、光の矢や炎弾を一斉に放つ。
ドガガガガガガガガガ!!!!
「ぎゃああああああ!!!!」
爆発音が止み、煙が晴れると、魔族は膝をつき、ついに倒れた。
「何者かはわからないが助かった!」
一人の魔導士が息を荒げながらサヤに話しかける。
「お易い御用でござるよ」
サヤは静かに刀を納め、風にたなびく衣を整えた。
「…お…おのれ…」
地に伏した魔族が、血に濡れた口を動かす。
まだ息がある――。
「魔族はしぶとい! 早く首を切り落とそう!」
一人の魔導士が剣を抜き、魔族に近づく。
「そ、そこまでしなくても!」
テンちゃんが止めようとするが、その手を振り払うようにして魔導士は歩を進めた。
「…すまない…仇は…取れなかった…」
ズバッ。
乾いた音とともに、魔族の首が地に落ちる。
熱い血が土を黒く染めた。
風が静かに吹き抜ける。
ウェルたちは、魔族が最後に呟いた言葉を、誰一人として聞き取ることができなかった。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




