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176/620

176.異空間の先には

連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!


 ジャックの魔力の残滓が空間を歪め、黒い霧のように渦を巻いていく。

 地面が割れ、闇が口を開けたかのように、次々と俺たちを異空間へと引きずりこんだ。


「うわああああああ!!!!」


 重力が狂い、視界が暗転する。

 体が浮かび、落ち、また浮かぶ。

 まるで悪夢の中を漂うようだった。


 俺、エリスお嬢様、テンちゃん、リーズ、サヤ、ココさん、レナ、ブラン――全員が声も出せぬまま、光のない奈落を落ちていった。


 だが不思議なことに、異空間からの脱出はあっけないほど簡単だった。


「うわ!?」


 ドサッ――と、体が地面に叩きつけられる。


「うげ!?」

「ぶほ!?」

「がふ!?」


 テンちゃん、リーズ、サヤが次々と俺の上に落ちてくる。


 待って!? 俺、疲労困憊なんだけど!?


「ここは…どこでしょう」


 ココさんが周囲を見回す。

 風が強く、空には鉛色の雲が流れていた。荒涼とした大地が広がる干ばつ地帯。


「見たこともない荒地じゃな」


 エリスお嬢様が眉をひそめる。

 確かに――どこだ、ここは……?


 その時。


ズドーン!!!!


「な、何アルか!?」


 地平線の向こうで爆発のような轟音が響いた。

 風が震え、土煙が立ち上る。


「あちらですわ!!」


 リーズが指差す先には、魔力の閃光が走っていた。


「あれは…魔族でござるか…?」


 戦場では、一体の魔族が数人の魔導士たちと交戦していた。

 魔導士たちは人族――服はボロボロで、憎悪の炎を宿した目をしている。


「おのれ!! 魔族が!! よくも俺の家族を殺したな!!! 絶対に許さねぇ!!!!!」


 その一人が叫び、炎の魔法を放つ。

 だが魔族はそれを容易く弾き返した。


 魔族……。こんな場所でも、誰かの大切なものを奪うのか。


 許さない!!!


 戦況は徐々に人族側が劣勢となり、魔族の圧倒的な力に押されていく。


「死ね!!!」


 魔族が高く手を掲げ、竜巻を巻き起こした。

 風属性の上級魔法――その威力は砂丘をも削り取る。


「いかん! 拙者が行くでござる!」


 サヤが地面を蹴り、疾風のように駆け出した。


「滅魔流【魔封一閃】!!」


 ズバン!!!


 閃光が走り、竜巻が真っ二つに裂かれる。

 風が止み、砂埃の中にサヤのシルエットが浮かび上がる。


「んな!? 誰だ!?」


 魔族が驚愕の声を上げる。


「よそ見している場合ではないでござるよ!」


 サヤが地を蹴ると同時に――


 シュバッ!


「八極気功拳【発勁】!!!」


 ドガン!!!


 テンちゃんの拳が魔族の脇腹に突き刺さった。

 衝撃波が空気を裂き、魔族は地上に叩きつけられる。


「ぐあ!?!?」


 地面が揺れ、砂煙が舞う。

 しかし魔族はすぐに立ち上がり、牙を剥いた。


「く!? 何者だ!?」


 血を吐きながらも、まだ戦意を失っていない。


「今だ!! 魔法を一気に浴びせろ!!」


 人族の魔導士たちが詠唱を開始し、光の矢や炎弾を一斉に放つ。


ドガガガガガガガガガ!!!!


「ぎゃああああああ!!!!」


 爆発音が止み、煙が晴れると、魔族は膝をつき、ついに倒れた。


「何者かはわからないが助かった!」


 一人の魔導士が息を荒げながらサヤに話しかける。


「お易い御用でござるよ」


 サヤは静かに刀を納め、風にたなびく衣を整えた。


「…お…おのれ…」


 地に伏した魔族が、血に濡れた口を動かす。

 まだ息がある――。


「魔族はしぶとい! 早く首を切り落とそう!」


 一人の魔導士が剣を抜き、魔族に近づく。


「そ、そこまでしなくても!」


 テンちゃんが止めようとするが、その手を振り払うようにして魔導士は歩を進めた。


「…すまない…仇は…取れなかった…」


 ズバッ。


 乾いた音とともに、魔族の首が地に落ちる。

 熱い血が土を黒く染めた。


 風が静かに吹き抜ける。

 ウェルたちは、魔族が最後に呟いた言葉を、誰一人として聞き取ることができなかった。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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