173.超級闇魔法【シュヴァルツインフェルノ】
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
第173話 超級闇魔法【シュヴァルツインフェルノ】
ガキン!!
「む!? 闇属性の防御魔法か!?」
黒い球体が、俺の剣を受け止めた。
まるで鋼よりも重く、吸い込まれるような闇。触れた瞬間、空気が冷たく軋む。
その直後――
「うわ!? 剣先が消えた!?」
黒い球体に触れた部分が、音もなく蒸発した。
残った刃は焼け焦げたように黒く、異様な臭気を放つ。
「ひっひっひ!! どうだ!? 上級闇魔法【デッドワールド】は!? 触れた物を消失させる完璧の防御だ!!」
ジャックの口元が不気味に歪む。
闇が彼の背後で蠢き、まるで意思を持つように渦を巻いた。
くそ……やっかいな魔法だ。
「我が名において来たれ闇の精霊…」
!? 詠唱だと!?
「手中に集い、
地獄の業火を生み出し、
黒炎と共に野心を満たし」
「させるか!!」
防御魔法で時間を稼ぎ、詠唱に移ったか!
俺は即座に別の剣を取り出し、黒球に叩き込む。
ズガン!
しかし――剣は触れた瞬間、灰のように崩れ消えた。
「この世の善を妬み、
渇望せよ、
絶望せよ、
執着せよ、
破壊せよ、
希望を捨て去り、
忌まわしき光を踏み潰し、
今一度一つとなり、
凶悪な魔性とともに灰燼と化せ、
超級闇魔法【シュヴァルツインフェルノ】!!!」
詠唱が終わると同時に、空間が震えた。
ジャックの全身から黒炎が立ち昇る。
それはただの炎ではない――炎を焼き尽くす、闇そのものだった。
「ひっひっひ!! 炎をも焼き尽くす漆黒の獄炎だ!!! 村人ごと焼き尽くされるがいい!!!!」
黒炎の奔流が村へと迫る。
地面が焦げ、風が悲鳴のような音を立てる。
くっ……! 村ごと巻き込むつもりか!?
狙いは俺を避けさせないためだ。
「くそ! 相殺させるしかない!! 光の上位精霊レナ召喚!!」
パァ…!
眩い光が爆ぜる。
「チィーッス!! 超絶美少女精霊レナちゃん登場!」
……レナは相変わらずハイテンションだな。
だが、頼もしい。
「レナ!」
「わかってるって!」
パァ!!!!
光が渦巻き、レナの姿が俺の中に吸い込まれていく。
胸の奥で鼓動と魔力が重なり、身体の輪郭が淡く輝く。
「【魔導霊気】!!」
魔力、気、霊力――三つのエネルギーを融合させた俺の戦闘形態。
俺は一気に踏み込み、ジャック――いや、【シュヴァルツインフェルノ】の中心へ突っ込んだ。
「さらに2つ同時発動!!」
全身の魔力が暴発寸前まで高まる。
ラーニング五重発動――命を削る覚悟の技。
「【魔剛聖霊気剣】!!!」
聖光と闇がぶつかり合い、爆音と閃光が空を裂いた。
ズバン!!!!
その一撃で、黒炎は霧散した。
だが――剣は粉々に砕けた。
「んな!? ばかな!?」
ジャックの瞳が見開かれる。
その動揺を逃さず、俺はさらに畳み掛ける。
「アイテムボックス! 魔導霊気刀!!」
次の瞬間、空間から新たな刀を取り出す。
刀身は蒼白く光り、魔導粒子が舞う。
「【アビスキャノン】魔導霊気刀にエンチャント!!」
闇と光の魔力が交錯し、刀が脈打つ。
黒と白のオーラが混ざり合う。
「【鋼魔霊気斬閃】!!!」
ズバン!!!!
轟音と共に、【デッドワールド】が真っ二つに裂けた。
黒い膜が悲鳴を上げるように震え、霧散する。
「な、なんだと!?」
ジャックが後ずさる。
その表情に、初めて恐怖の色が浮かんだ。
あとは多重魔法障壁だけだ!!
「ラーニング2つ同時発動!!
【魔竜霊気腐食爪】!!!」
右腕に黒と翠の炎が絡みつく。
呪術に近い固有魔法【ディアブロシー】と、グリーンドラゴンの腐食性の力を合わせた渾身の一撃。
ガキーン!!!
爪が障壁に触れた瞬間、耳障りな金属音が響いた。
ジュー…ピシピシッ…。
多重魔法障壁が溶け始め、ヒビが広がる。
「な!? 俺の多重魔法障壁が!?」
バリーン!!!
障壁が砕け散り、黒い破片が夜空に消えた。
ジャックの身体が露わになる。
「ファニー!!! 目を覚ませ!!!」
俺は、渾身の叫びを闇へと放った。
黒い残滓の中に、確かに一瞬――ファニーの瞳が揺れた気がした。
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