170.超級闇魔法【エクリプスピリオド】
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ズガガガガガガガ!!!!!!
森の中、魔族マルディと竜族サヤの戦闘は熾烈を極めていた。
風が巻き起こり、葉や小枝が舞い上がる中で、二人の戦いは止まることを知らない。
「闇魔法【アビスキャノン】!!」
マルディが極太の黒いレーザーを放つ。
「滅魔流【魔封斬閃】」
ズバン!!!
サヤが放つ刃がレーザーを切り裂き、火花と衝撃波が森を震わせる。
魔法と剣術のぶつかり合いで、周囲の木々が揺れ、枝葉が飛び散る。
「剣士なら間合いに入らねば無能であろう!」
マルディは翼を広げ、空中から遠距離魔法を矢継ぎ早に放つ。
剣士のサヤにとって不利な状況を作り出していた。
「そうでもないでござるよ! 滅魔流【魔空乱閃】!!」
サヤは飛ぶ斬撃の乱れ打ちを展開する。
「な、なに!?」
ズバババババ!!!
驚きながらも、マルディは全ての斬撃を避ける。
「隙だらけでござるよ!」
その瞬間、サヤは巧みに地上近くまで誘導され、木々の間を縫って飛び出す。
魔法の隙間を突いて、サヤは届く範囲に身を置いた。
「滅魔流【鋼魔斬閃】!!」
ズガン!!!
鋼魔斬閃は滅魔流の中でも斬撃に特化した技。完全に捉えたはずだったが……
「いい剣撃だ。しかし、俺には効かんな」
マルディの多重魔法障壁が斬撃を防いでしまった。
「なんと!? 硬い障壁でござるな」
その刹那、マルディは空に手をかざす。
「闇魔法【アビスレイン】!!!」
上空に放たれた黒い光は、一定距離で細かく分散し、雨のように地面へ降り注ぐ。
ズガガガガガガガ!!!!!!
サヤは刀で防戦するも、雨のように降る闇魔法に身動きを奪われる。
「我が名において来たれ闇の精霊…」
マルディが詠唱を始めた。
「く!? 詠唱でござるか!?」
サヤは詠唱を阻止しようとするも、降り注ぐアビスレインが視界を遮り、前へ進めない。
「手中に集い、
侵食する漆黒、
異形を呑み込む魔となり、
悲観の渦に切り刻まれ、
救いを拒絶せよ、
幸福を拒絶せよ、
光を拒絶せよ、
生命を拒絶せよ、
狂気を受け入れよ、
黒く塗りつぶされた混濁の世界を創造し、
今一度一つとなり、
絶望とともに震えて眠れ、
超級闇魔法【エクリプスピリオド】」
黒く歪んだ球体がマルディを中心に広がり、森全体を飲み込む。
空は突然暗くなり、木々の陰が長く伸び、鳥たちは恐怖に鳴き声を上げる。
「何アルか!? 急に空が暗くなったアル!」
「不吉ですわ!」
テンテンたちもその暗黒の魔法に呑み込まれていた。
「ふはははは!!! 俺が放てる最強の闇魔法だ!! 森一帯ごと跡形もなく消し飛ぶがいい!!!」
漆黒に染まる森の中、サヤは闇の中で刀を抜き構える。
「滅魔流奥義…」
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