168.ジャック VS ウェル
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
俺の上級闇魔法【アビスキャノン】をくらったジャック。
その瞬間、黒くうねる光の柱はぱっと消え去った。
土煙が晴れると、ジャックの姿がゆらりと浮かんで見えた。
「このやろおおおおおお!!!! 危ねぇじゃねぇか!!!!」
ジャックの周囲には魔法陣がいくつも浮かび、黒い光を放って回転している。
これが多重魔法障壁――魔族が扱うオート防御。
俺は一瞬、手応えを感じたが、やはり彼は無傷のようだ。
「ひっひっひ!! 力と肉体を手に入れたおかげで、マルディより高性能な多重魔法障壁が展開できるぜ!! まったくファニーの絶望はここまで俺に力を与えるとはな!!」
ファニーの絶望――?
「ファニーの絶望ってなんだ!」
俺はジャックに向かって叫ぶ。
「こいつは俺の言う通りに動いて自分の両親を殺したんだ!! 俺はその瞬間腹を抱えて笑ったぜ!!」
「な、なんだと!?」
「俺のことを友達と信じて疑わないバカなガキだったぜ? それを教えてやったらこの有様だ!!」
「…つまり、ずっと前からこうなることを仕組んでいたのか…!!」
俺はジャックを睨みつける。
「…計画の半分にも満たしてないがな。もっと憎悪にまみれた時に乗っ取って、更なる力を手に入れるはずだったんだがな!」
俺が来なければ、村も屋敷も、ファニーも――もっと悲惨な状況になっていたのか。
「…許さないぞ!!」
とはいえ、戦略は限られている。
手加減すれば無傷だし、ファニーを傷つけるわけにはいかない。
「許さないはこちらのセリフだ! 計画を狂わせやがって!!!」
ジャックは怒りを浮かべながら、別の方向に魔力を集中する。
「闇魔法【デスレート】!!」
ズキューン!!
「え? どこに向かって…まさか!!」
狙いは村の住人たちか――!
「な、なんだ!?」
「屋敷から黒い光が来る!?」
村の人々は混乱し、悲鳴と叫びが入り混じる。
普通に移動していては到底間に合わない。
「くっ!!【テレポート】!!」
シュン!
俺は瞬間移動で村人たちの前に立ち、盾となる。
ズドーン!!!!!!
「ひっひっひ!! やると思ったよ!! バカなやつめ!!」
ジャックは俺が村人を庇うことを完全に計算済みだったようだ。
「…やってくれるな…」
しかし、俺は無傷だ。
「な!? なぜダメージがない!?」
俺は冷静に答える。
「ギリギリ【エンチャント】が間に合った…」
【エンチャント】。
魔法を身体に付与するスキルだ。俺は闇魔法【アビスキャノン】を自分に付与することで、自らを闇属性に変化させた。
そのため、闇属性の魔法は無効化される。
ただし、【アビスキャノン】を遥かに超える魔力には注意が必要だ。
「村のみんなを狙うなんて…。魔族ってのは卑怯で陰湿な奴が多いのか? 絶対負けないぞ!!」
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