162.怪しい友達
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「どうしたんだい? ウェル!!!」
ファニーの明るさをものともせず、俺は重い話題を切り出す。
「村人から聞いたのですが、ここではかなりキツい税収をしていると聞いております。本当でしょうか?」
「あぁ!! 税収はしているさ!!! 領主だからね!!!! でも、村人全員の承認は快く得ているから問題ないさ!!!」
村人全員の承認を得ている――その言葉と、先ほど村人が怯えていた様子が脳裏でぶつかる。
「村人全員の承認は得ていると仰っておりますが、本当ですの?」
リーズが、全員が疑問に思っていることを率直に聞く。
「もちろん!! 友達がそう言っていたよ!」
友達――。屋敷で最初に会った時にも、その存在に触れていた。
「その友達というのはどんなやつなのじゃ?」
エリスお嬢様が目を細めて質問する。
「僕の両親が亡くなって部屋に引きこもっていた事があると言っただろう? その時、僕を元気づけてくれた友達がいるんだ!!」
なるほど。付き合いは1年ほどということか。
「僕の友達は本当に優秀なんだ!! 僕が領主としてみんなを引っ張って行く時、色んなアドバイスをしてくれて助かっているんだ!」
怪しいな。その友達。重い税収も恐らくそいつの案だろう。
「…その友達に合わせてくれませんか?」
事件の首謀者の匂いを感じ、俺は慎重に尋ねる。
「うーん、僕の友達はシャイだから誰にも会いたくないって言うんだよね」
「今まで誰にもその友達がいるということは会わせたことはないのですか? ここの村人たちにも」
「うん! そうだね!! あ!! しまった!!! 友達がいることは秘密だったんだ!!! うっかり喋っちゃったよ!!!」
まさか秘密がここまでペラペラと洩れるとは――という思いは置いておく。
「…どうしても会わせてくれませんか?」
「うーん…わかった!!! ウェルたちは信用できるし大丈夫だろう! 一度聞いてみるね!!!」
合わせてくれる兆しが見えた。
屋敷から村へ向かう途中、背筋に冷たい感覚が走る。
ゾクッ!!!
ものすごい魔力の圧が全身を包み込む。
ビリビリッ。
「な、なんだ!?」
その魔力の出元から、悲鳴にも似た叫び声が響いた。
「ま、ま、魔物だーーーーー!!!!!!!!」
「な、なんだって!?」
俺たちは息を呑み、声の方向へ駆け出す。
「面白かった!」
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