160.鏡の中の友達
第10章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ファニー様の情報を頼りに、俺たちは闇ギルド【ダマーカミ】を討伐した。
討伐は成功したものの、いくら調べても魔族と直接関わる痕跡はどこにも見当たらなかった。
「ファニー殿の情報は本当でござるか?」
サヤが眉をひそめて疑問を口にする。
森を抜け、荒れた廃屋や闇ギルドの隠れ家を順に調べたが、魔族の気配は一切ない。
「確かに…そもそも闇ギルドの情報を貴族が持っていること自体が不思議なくらいだ」
闇ギルドは一国ですら容易に情報が手に入らず、基本的には冒険者ギルドが独占しているものだ。
それを、なぜファニーが知っているのか。
「なにやら嫌な予感がするのじゃ」
エリスお嬢様が眉をひそめる。
彼女の予感は、これまで何度も的中してきた。
―――――――――――――――――――――――――
「ウェルたちが闇ギルドを討伐しに行ったよ【ジャック】! これで良かったのかい?」
ファニーは自室の大きな鏡に向かって話しかけていた。
光を反射する鏡の中には、まるで独立した意志を持つもう一人のファニーが映っている。
「ひっひっひ! それでいいよ!これでまたこの村は安全だ!!」
鏡の中のファニーは、にやりと不気味な笑みを浮かべ、現実のファニーとは微妙に違う表情をしていた。
「君がいてくれたから、お父さんとお母さんがいなくなっても、僕は笑顔を絶やさないでいられたんだ! そして、いつもアドバイスありがとう!!」
「ひっひっひ! まだ出会ってから1年ちょっとしか経ってないが、俺はいつまでもお前の友達だ」
鏡の中のファニーと出会ったのは約1年前。
ファニーの両親がいなくなる少し前からの付き合いだそうだ。
「じゃあ! ウェルたちを出迎えるために、サングラスをかけて準備するね!」
「…またあの変な黒いメガネをかけるのか…?」
「もちろん! 僕のお父さんが【最初に開発したサングラス】なんだ! お父さんと一緒に笑顔で元気でいたいんだ!」
ファニーの父親は元商人で、その父親が発明した【サングラス】は大ヒットし、その功績で爵位を受けたという異例の経歴を持つ。
今では形見として、ファニーは常にそれをかけている。
「…まぁ、好きにしろ…俺の計画…いや、俺たちの平和になるためならな!」
鏡の中のファニーは妙な言い回しをしつつも、確かな決意を感じさせる。
「うん! さぁ準備開始だ!!」
ファニーは鏡のある部屋を飛び出していった。
廊下の木製の床が踏み鳴らされ、軽やかな音が屋敷内に響く。
「…まさか俺たち【魔族】を討伐しに来る冒険者がいるとはな…なぁ?相棒?」
鏡の中のファニーの声が不気味に響くと、床に黒い穴が浮かび上がった。
その穴から姿を現したのは、角と翼を持つ威厳ある魔族だった。
空気を震わせるほどの存在感を放つ。
「まぁ、運良く近くに闇ギルドがあって良かったよ。魔族は闇ギルドが流したデマと誤魔化して、帰ってもらいたいから。まだ【ラグナロク】の時期じゃない」
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