150.エンチャント
第9章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「はーっはっはっは!!!! ルビーを倒したと聞いていたが他愛無いものだ。さて、この俺自ら全員皆殺しにしてやろう!」
ラーニングにより習得。
【テレパシー】
【エンチャント】
【ディアブロシー】
ズバーーーーーン!!!!!!!!
俺は【キョフビト】の腕を切り落とした。
「!?!?なんだ!?!?」
腐臭と熱気が混ざり合い、地面はどす黒く焼け爛れていた。立ち上る蒸気の向こうで、シュラムが目を見開く。
シュラムが見たものは、腐食して溶けて消えるはずだったウェルとエリスの姿だった。
「なぜ生きている!?なぜ腐らない!?」
その声は恐怖と混乱の中で震えていた。
【キョフビト】の呪術【ディアブロシー】は、あらゆる生命と金属を腐らせる最大級の毒。その液体に触れた者は瞬時に骨すら残さず溶けるはずだった。
「いくぞ!」
ズギューーン!!
光の残像を残し、俺はシュラムに斬りかかる。衝撃で空気が裂け、渦巻いた。
「貴様の剣は俺には届かん!!」
ズバーーーーーン!!!!
「な、なんだと!?」
鋭い閃光が走り、次の瞬間、【キョフビト】の頭部が宙を舞う。
「ば、バカな!?なぜ腐食しない!?」
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1分前。
とエリスお嬢様は目を合わせた。頭の中に響く声が、緊迫した空気を切り裂く。
「(妾の新技【エンチャント】のおかげで毒から守っておるぞ!)」
【エンチャント】。どの属性にも属さない、まったく新しい付与魔法だ。魔力を物質や生命体に重ね、その性質を移す――まるで運命を書き換えるような術。
「(妾とウェルには毒魔法のエンチャントをしたから、毒に耐性ができたのじゃ)」
「(なるほど…だからまだ生きて…でも苦しい…)」
「(エンチャントした毒魔法は初級のヴェノムじゃからな。耐性があってもこの腐食液の毒性は強力じゃ。じゃがもっと強力な毒耐性を得る手段があるじゃろ?)」
「(もっと強力な…?…あ!!!!!)」
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「(【ディアブロシー】エンチャント!!)」
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俺とエリスお嬢様は【ディアブロシー】をエンチャントし、腐食そのものを無効化した。皮膚だけでなく、服までもが同じ耐性を得て溶けることはない。
さらに、俺は魔導霊気刀にも同じ付与を施した。
毒の力を打ち消すのは、浄化の光。
光魔法【トリプルリリース】エンチャント。
全ての状態異常を解除する光魔法【リリース】を、三重に重ねて武器に宿す。光の層が刃を包み、蒼白く揺らめく。
反撃開始だ!!!
ドボン!!
俺は自ら腐食液の中へ飛び込んだ。
ズババババババ!!!!
光が閃き、【キョフビト】の群れが次々と断たれていく。
「バカな!?バカな!?」
シュラムの動揺が伝わってくる。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
ガキーーン!!
「!?!?」
激突した刃が火花を散らす。
その瞬間、空気が歪み、腐食した地面が爆ぜる。
「…残念…もう一息だったな…」
シュラムの手には、黒く歪んだ一本の剣が握られていた。まるで闇そのものを凝縮したような、不気味な質感。
ズアアアアアア!!!!
「うわ!?」
キョフビトたちが次々とその剣に吸い込まれていく。
「俺をここまで追い詰めるとは大したものだ…。防御を全て捨て、全ての腐食能力を剣にして凝縮した【フツルギ】で決着をつけてやろう!」
剣を一閃すると、たったそれだけで周囲が腐食して溶けた。
ジュウウウウウ…!!!!
触れるものすべてが溶け、地面が波打つ。
「貴様の剣は俺のディアブロシーを斬るがこれは別次元だ。小細工なしの剣と剣の戦いといこうではないか!!」
緊張で喉が乾く。だが、ここで退くわけにはいかない。
ディアブロシーをエンチャントしているが、あれは食らったらやばい。
だが、今のシュラムにはどんな攻撃も通る。
正真正銘。
剣術の強い方が勝ちだ!!
「ぬおおおおお!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
スガガガガガガガガ!!!!!!!!
青白く輝く魔導霊気刀。黒く禍々しく光る【フツルギ】。
白と黒がぶつかり合い、衝撃波が地面を削り取る。
「くっ!」
魔力の消耗が激しい。腕が重く、視界が揺れる。
ズバっ!
「ぐぁ!」
脇腹を掠めた刃が肉を裂き、焦げる匂いが立つ。
ジュウウウウウ!!!!
「あつ!!」
痛みに耐えながら、俺は一歩下がる。
「光魔法【リリース】!」
瞬時に傷口を光が包み、痛みがやわらぐ。だが、完全な回復には至らない。
「どうした? 距離を取って?」
嘲笑うシュラム。その目は獣のように鋭い。
強力な毒耐性を持っていても、攻撃を受ければ致命傷だ。
もし【ディアブロシー】をエンチャントしていなければ、今ので即死していた。
「はぁ…はぁ…」
体力の限界も近い。息が荒い。視界が滲む。だが――
「(がんばるアル!!)」
耳の奥に響く声がした。
なんでテンちゃんの声?
「(負けたら承知しませんことよ!)」
リーズの声も!?
「お嬢様がテレパシーでウェルくんの心を繋いだのですよ」
ココさん!?
「不思議でござるな。テレパシーというのは…」
サヤ…。
「私たちは大丈夫だ」
レオンさんまで!?
次々と仲間たちの声が胸に届く。
そうかみんな無事か…。ということは…。
「アタシたちは幹部をぶっ飛ばしたアル!」
「私とココさんは雑兵の殲滅に成功しましたわ!」
「あとはウェル殿だけでござる!!」
「ウェルくんが勝てば勝利だ」
「「だから!!」」
「勝つアル!」
「勝ってくださいませ!」
「勝ちなさい!」
「勝つでござる!」
「勝て!」
仲間たちの声が脳裏に響く。
「勝つのじゃ!」
みんなの声が、胸の奥で燃え上がった。
「はい!!!」
俺は叫びとともに立ち上がった。
体の奥から光が溢れ、剣先が再び輝きを取り戻す。
「ほぅ、この期に及んでまだ勝てる気でいるのか…」
「勝てる気があるかどうかじゃない。勝たなきゃいけないんだ!!」
信じてくれる仲間のために。戦い続ける者たちのために。
絶対に勝つ!!!!!!!!
ウェルとシュラム。
最後の戦いが始まる。
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