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145.鎖ノ国の侍VS呪言

第9章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「う、動けぬでござる!!」


 こちらは鎖ノ国の侍【黒國 沙耶】と闇ギルド【ナハト】のNo.2【ウォーカー】の戦いである。


「いったい…何をしたでござるか!?」


 サヤとウォーカーが対峙した瞬間だった。


「【跪け】」


 ウォーカーの一言で、サヤは倒れたまま体が固まってしまう。


「私の固有魔法【スペル】だ。魔力を込めて発した言葉を聴いた者は従うようになる。呪言と言ってもいい」


 ウォーカーはかつてギルドバトルで、各ギルドマスター全員を倒したことがある。その力の源が、この【スペル】であった。


「それはまた恐ろしく便利な魔法でござるな」


 倒れながらサヤは呟く。


「ちなみに私の固有魔法は生まれつきじゃないんだよね」


 固有魔法は血筋で決まるのが原則。親が使える魔法を、子も扱えるというものだ。

 例外として異世界転生したエリス、そしてエリスから譲渡されたウェルがいる。


「どういうことでござるか?」


 サヤは更に問いかける。


「私はこの力を手に入れる前、名の知れた殺し屋をやっていた。だがある日、超科学都市【ラディソス】で人体実験を受けたんだ」


 ウォーカーは超科学都市【ラディソス】で受けた人体実験を語り始める。


 魔物から抽出した魔力を凝縮した特殊な魔石を体内に埋め込み、強力な生命体を作る実験。ここでウォーカーは、天災級の魔力を扱える固有魔法を得たのだ。


 その結果生まれた人間は【人工魔導師】と呼ばれる。


「そして、私は固有魔法を手に入れたのだ。いや、【呪術】と言った方がいいかな?」


「呪術…聞いたことがあるでござるな…。それはなんでござるか?」


「…その体勢でよく聞いてくるじゃないか。まぁ、今日は喋りたい気分だから特別教えてやる」


 【呪術】は魔法の完全上位互換で、文明を滅ぼすほどの魔物にしか扱えないスキル。その天災級の魔物は知能が高く、人語を話し、詠唱もする。さらに優れた者は無詠唱で呪術を操れるのだ。


「私はその天災級の魔物の魔力を抽出した魔石を埋め込んでもらったのさ! 人族でありながら呪術を扱える私は、ギルドマスターを除けば最強の戦士だ!

 ちなみに、うちのギルドマスターも私と同じ人工魔導師だ」


 ナハトのギルドマスター【シュラム】もまた、ラディソスの人体実験を受けた人工魔導師である。つまりシュラムも呪術を扱える。


「…なるほど、ラディソスのことはあまり詳しく知らぬが、ナハトと深い関係にあるようでござるな」


 No.3【ウイキス】の扱う小型銃【マジックガン】にしても、ウォーカーやシュラムにしても、ナハトとラディソスは深く結びついている。


「ま、すぐに死んじゃう君に教えたところで特に不利益はないけどね」


 重要情報を流しても、すぐに殺すつもりだから問題ない、とウォーカーはタカをくくる。


 しかし。


「…そうでもないでござるよ?」


 サヤはゆっくりと立ち上がった。


「だんだんこの重い身体に慣れてきたでござる」


 重りを付けられたような感覚だった体も、サヤにとっては動ける状態だった。情報を引き出すため、わざと動けないフリをしていたのだ。


「…へー…立てるんだ。やるね。でもムダムダ! 重ねがけすればどうせまた倒れるさ!」


「…やってみるでござる!」


 サヤの挑発にすぐ反応するウォーカー。


「【跪k…」


  ズバ!


   跪  け


 ウォーカーの呪言は真っ二つに斬られた。


滅魔流(めつまりゅう)魔封斬閃(まふうざんせん)】」


 サヤはいつの間にか抜刀し、ウォーカーの呪言、いや呪術を斬り払ったのだ。


「な、呪言を斬ったのか…」


 初めて自分の呪術を防がれたウォーカーは驚愕する。


「話を聞いたところ、呪術も魔力が動力源でらしいでござる。なら、呪術は拙者に斬れるものでござる」


 滅魔流【魔封斬閃】。気を込めた特殊斬撃で魔法を斬る技。かつてウェルと戦った時も、魔法を斬って防いでいた。


「【吹っ飛べ】」


ズドン!


「く!」


 サヤは呪術によって吹き飛ばされる。


「私の呪術を斬ったことは素晴らしいスキルだね。でも、いつ来るかわからなければ何度もタイミングを合わせられないし、声は音速だ! 避けられるはずがない!」


 ウォーカーの呪術の厄介な点は声にある。対象に向けて発した声が届くことで完成するのだ。


 声は音速。秒速340m。


 ズザザザザザザーー!!


 吹き飛ばされたサヤは倒れず着地した。


「おしゃべりが過ぎるのは良くないでござるな。てっきり拙者は聴こえていたら呪いにかかるものかと思っていたでござるよ」


 ウォーカーの呪術の弱点は、1回に1人までしか効果がないこと。さらに別の呪術は重ねがけできない。


 【跪け】は【吹っ飛べ】でかき消されたのだ。


「もっと呪術を使うでござるよ」


 さらに挑発するサヤ。


「【切れろ】」


 【切れろ】――身体のどこかを切られる斬撃の呪言。


 サヤの挑発に乗って呪術を発動するウォーカー。


ひゅん!


「!? 消えた!?」


 視界からサヤが消えた。


「どこを見ているでござるか?」


 ウォーカーが視線を逸らしたわずかな隙に、サヤは左に潜んでいた。


「ま、まぐれだ! 【跪け】!!」


 ひゅん!


 またしても避けられる。


「【倒れろ】【痺れろ】【爆ぜろ】!!!」


 次々と呪言を放つウォーカー。しかし全て避けられた。


「ば、バカな! 音速の呪術を避けるなんて…」


 ウォーカーは、呪術を防がれただけでなく避けられたのは初めてで驚愕していた。


「音速程度の戦いは鎖ノ国では日常行われているでござる。これくらいで驚いているようでは、まだまだ未熟でござるな」

「面白かった!」


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