135.砂漠の国【ナーシサス王国】
第9章完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
【死の大森林】にある4つの神殿の調査を終え、俺たちは無事にクエスト成功となった。
俺たちはナーシサス王国へ向かったジェノケル王国の冒険者たちが戻るまで、しばらく城で待機することになり、俺たちはこの国の食事を楽しむことができた。
「これはなんという料理ですか?」
俺はシェフに尋ねる。エリスお嬢様たちに作る料理のレパートリーを増やすためだ。
「ウェルがアレンジして作るのが楽しみじゃ」
と言ってモグモグ食べるエリスお嬢様。
「食える時に食うアル!」
と言ってがっつくテンちゃん。
「品がありませんことよ?」
上品にフォークを操るリーズ。
「やはり、ナイフとフォークは難しいでござるな。全部拙者の刀で斬ってはダメでござるか?」
刀を取り出そうとするサヤを、ココさんが静かに制止する。
「やめなさい」
「いや~生き返るね~。死んでるけど~!」
と、死人ジョーク(?)を放つレナ。
食卓は、個性豊かなメンバーで賑やかだ。
それから2日後。
「HAHAHA! では諸君! 私はこの国を出るとしよう」
ミスター・Mが荷物を背負い、ギルドどころかこの国を出ようとしていた。
「私は国外にある冒険者ギルド【スペランツァ】に移動しようと思っている。己の正義が未熟と感じたのだ。ここよりもっと強いギルドに入って鍛え直したい!」
今回、ピエールに全く歯が立たなかったのがきっかけのようだ。
「わかりました! ミスター・Mさん! お元気で!!」
「うむ! また会おうぞ! 正義の名のもとに!!」
そう言って去っていく背中を見送りながら、俺たちは本当に濃ゆくて個性的な人だったな、と噛みしめる。
「またいつか会えるアルな!」
「しぶとそうなので会えると良いですわね!」
「そうだね。またきっと!」
しかし、俺たちは知らなかった。これが今生の別れになるとは。
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さらに一ヶ月が経過した。
俺たちはその間、街を歩き回り、装備の手入れやトレーニングをこなし、次のクエストに備えた。
「…帰ってこないのう」
ジェノケル王国のゴアルダ様が、首を傾げながらつぶやく。
ナーシサス王国に送った冒険者たちから、一ヶ月もの間、報告が一切ないのだ。
「お主たちに新たなクエストを頼もう」
薄々、俺たちは内容を察していた。
「お前たちには砂漠の国【ナーシサス王国】に向かって欲しい」
砂漠の国【ナーシサス王国】。その名の通り広大な砂漠に囲まれ、独特な文化を育んだ国だ。砂漠の太陽が照りつける広漠の大地には、蜃気楼が揺らめき、砂嵐が巻き上がる。
「ナーシサス王国から我が国から送った冒険者からの報告が一切なし。さらに合わせてくれようともしないのだ」
これは怪しい。つまり。
「闇ギルドとナーシサス王国は手を組んでいる可能性があると…」
「鋭いではないかウェル・ベルク殿。つまり、お前たちにナーシサス王国に侵入して調査をして欲しいのだ」
これが新たなクエスト。
「ナーシサス王国が何か隠しておるのは間違いない。とはいえ証拠なしでは軍は動かせない。だからあくまでも調査じゃ」
なるほど。
こうして、ウェル、エリス、テンテン、リーズ、ココ、サヤ。
6人のウェルパーティーは、新たなクエスト――砂漠の国【ナーシサス王国の調査】に向かうこととなった。
「【我が国の冒険者たちが帰ってきていないから迎えに行った】ということにすれば問題ない」
海の精霊【ビスマルク】で港まで移動し、そこからラクダを使って1ヶ月かけて砂漠を横断する。
「1ヶ月か…」
長い旅路だが、これしか手段はない。
「承りました」
港に着くと、ジョーディさんがすでに待機していた。
「準備は良いみたいだね」
「はい!」
「ただ、ナーシサス王国までの便は少しかかってしまう。あと数日待ってくれ」
その夜、宿での会話。
「リーズ…やはり危険だ!」
ジョージとリーズが顔を寄せ、真剣に話している。
「大丈夫ですわお兄様。今回もこうして…」
今回の神殿クエストで死線をくぐった話を聞いたジョージは、リーズに旅を止めるよう説得していた。
「お兄様。私はもう一人の箱入り娘ではありませんわ。ロッドフォード家の令嬢として誇りある生き方を選ばせてくださいませ」
「リーズ…わかった。二度も同じようなことを言って引き留めてしまいすまない」
リーズはもう過保護にされる弱い存在ではない。ロッドフォード家の令嬢として、名家に傷をつけない生き方を貫く覚悟を兄に伝えたのだった。
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