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128.神殿の正体

第8章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「なんでだろう?」


 おかしい。さっきと同じ手順なのに、何も起きない。順番があるのか? それとも全く違う仕組みなのか?


「それなら4つ同時に魔力を流してみるアル!」


 なるほど。確かに一つずつでは起動しないのなら、同時に…………できるかな?。


「ウェルならできるであろう。ラーニングの精度が上がって4つ同時に発動できるようになったしのう」


 た、確かに! だが、同時に魔力を流せるかは別問題だ。混ざって干渉する可能性もある。


「それならこうするといいですわ」


 リーズの指示に従い、俺は配置を確認する。


 左手で炎の装置、右手で水の装置、左足で風の装置、右足で土の装置──いや、この格好、カッコ悪すぎる!


「ギリギリ届いたでござるな」


「届いたけど!! プルプルする!!」


 四肢を伸ばして装置に触れているため、長時間の維持は困難だ。


「では、さっさと済ませてください」


 ココさん! 他人事すぎる!! ともあれ、やるしかない。


「左手に炎の属性。

 右手に水の属性。

 左足に風の属性。

 右足に土の属性。

 ラーニング4つ同時発動!!」


 俺の四肢から各属性の魔力が流れ込み、装置は赤、青、緑、茶に鮮やかに輝き出した。


 ガコン!


 低い金属音が響き、床が微かに振動する。


「HAHAHA!! 皆の正義のパワーで扉が開くぞ!」


 いや、正義じゃない、俺の魔力オンリーだよ!


 扉がゆっくりと開き切ると、先には真っ暗な一本道が伸びていた。


「この先に何があるのか…」


 恐る恐る進むと、やがて再び扉が現れる。前回より一回り小さい。


「また扉じゃな」

「でも、さっきみたいな装置はないアル!」

「装置はありませんが扉にドアノブがございますわ」

「斬る必要はなさそうでござるな」

「サヤさん、何でも斬ろうとしないでください」

「HAHAHA! 正義のパワーがあれば問題ない!」


 ……俺たち、個性的すぎるな。


「とりあえず普通に開いてみよう」


 ドアノブを掴み手首を回す。


 ガチャ


 そして扉を押すと、ギィィと軋む音を立てて簡単に開いた。


 中に入ると、神殿1つが収まるほどの広大な空洞が広がっていた。湿った石の匂い、反響する自分たちの足音、天井から滴る水のしずく──そのすべてが、冒険心をかき立てる。


「今度は…空洞…?」


 空洞にはいくつもの扉が並び、どれも異なる装飾が施されている。


「…ここって…いったい…?」



 パチパチパチパチ



 戸惑う俺たちの耳に、手を鳴らす音が響いた。


 人がいる!? 目を向けると、黒い衣装で身を包む男が立っている。


「いや素晴らしい。この扉から人間が出てくるとは…。なかなか優秀な奴らじゃないか」


 まるで自分は人間ではないかのような言い回しだ。


「何者じゃ!!」


 エリスお嬢様の声で、俺たちは一斉に戦闘態勢を取る。


 さらにもう一人、黒いローブに包まれた男が現れた。


「ピエール様。こちらにいらしたのですか…。って!! ああああ!!!! お前たちは!!!!」


 この男は俺たちを知っているようだ。


「その声は!! 拙者をそそのかした男でござるな!!」


 サヤを騙した男!? そして何度も目にした黒いローブ……。


「騙される方が悪いのですよーー!!! 私は楽園の使徒【ラプラス】の使い。【ジュレア】なのですよーー!!!」


 やはりラプラスか。闇ギルド【ナハト】を追ってきたのに、なぜラプラスに遭遇する? まさか繋がっているのか。


「お前たちは闇ギルド【ナハト】を知っているのか!?」


 わからないので直接問いかける。


「あなた!!! あなたあなたあなたあなたあなたという人は!!!! ピエール様に向かってタメ口とは!!!! 無礼にも程がありますよ!!!!!」


 ラプラスの人間、テンション高すぎ…。


「構わぬぞ。ここへ来た褒美だ」


 なんか偉そうなやつだな。


「闇ギルド【ナハト】のことは知っているが我々とはなんの繋がりもない。むしろ敵同士だ」


 敵同士だと?


「そういえば前に人間の貴族が訪ねて来たことがあったな。


闇ギルドの抑止力となって欲しいとか」


 貴族というのはアルベルト・レイリーか。


「ラプラスに入りたいとか言っておったが一蹴して追い返してやったぞ。信仰心のかけらもないから記憶も消してな」


 なるほど。アルベルトはナハトに依頼して関係を作りつつ、裏切られる未来を予測し、身を守るためラプラスに近づいたのか。記憶を消されたのは、その痕跡を消すためだろう。


「さて、我々を見たからには記憶を消すか、皆殺しにするかしなければな」


 ピエールが立ち上がる。


「ピエール様!! こいつがウェル・ベルクです! 殺しましょう!!!」


 ジュレアから俺のことが伝わっているようだ。


「そうか。冒険者として一気にA級まで駆け上がった期待の新人か。お前のことはよく報告で聞いているぞ。何度も我々の邪魔をしているとな」


 最初から俺のことを監視していたということか。


「どれほどの驚異になるか見極めてやろう。【ラプラスの悪魔】第一級使徒がな」

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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