表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小言な勇者と魔法使い  作者: 地蔵
ベルリ編
7/34

魔法使いの記憶巡り

読みにくいですね。すいません。

 記憶があれへん。なんか知らんけど鼻も折れてるし。ごっつ痛い。え、なんでなん?

頭痛い。なんか包帯ぐるぐる巻きやねんけど。なんでなん。え?ここどこなん?

あ、宿や。え、いつ帰ってきたんやろ。でもアイツは?俺だけ帰ってきたん?なんで?なにがあったん?

こわー。一番怖いやつや。酒飲んで、記憶ない。一番怖い。辿りたくないわ。そのままそっと蓋したい。

もうなかったことになっといてほしい。何もしてない、はずないもんな。だって鼻折れてるもん。

負けたん?喧嘩。誰に?どっちが売ったん?年甲斐もなく俺?もう30やで。いや、はずいはずい。

いや、売られてるはず。そこは絶対売られた喧嘩を買った感じやと思う。さすがに。で、負けたん?

売られた喧嘩買って、負けたん?鼻折られて?頭からも血出して?ボロクソに負けてるやん。

 え、ちょっと待って。ほんまに一回冷静になろ。冷静になれ俺。もう喧嘩どうのこうのはやめよ。

ボロクソに負けたのは、もう認めよう。おい!俺!ボロクソに負けてるやん!うん。これでいい。人間は自分を認めていくことが一番大事やねん。そうや。ちょっと気持ち軽くなったぞ。良い調子や。よし、この調子で記憶も辿って行こ。


 ヴェネアやったっけ。なんかあのキレイやったとこ。水の都的な。あそこでお姉ちゃんに刀返したやろ。なんか友達の話聞いてほしいとか意味わからんこと言うてきて、俺ははよ帰らなあかん用事あったのに。アイツが聞きたい、みたいなこと言うて散々モメて、結局あの姉ちゃんの話、2時間ぐらい聞いたんや。そうやそうや。

ほんま、どついたろか思たわ。よう耐えたで。大人やわ。今ごっつ腹立ってきたけどな。ほんまに。なんやアイツ。偉そうに椅子座りやがって。何様やねん。次会ったら鼻糞つけたろ。

 で、結局定期船間に合わんからいうて、その日はヴェネア?に泊まって、次の日ベルリに帰ってきたんや。そうそう。結婚式は行かれへんかったけど。ごっつショックやわ。祝いたかったわ~。俺結婚式めっちゃ好き。俺ほんまええ奴やと思う。なんで鼻折れてんのやろ。

 ベルリ帰ってきて、とりあえず飯食おうってなったような気がする。酒場行って、適当に食って、飲んでしたと思うねん。たしか。あー、あんまり覚えてないわ。でも、ヤクチューだいぶ飲んだんよな。あ!あの店主に、ヤクチューって略すな、みたいなこと言うた気がするわ。うわー、次あそこ行くの気まずいな。そういうのめっちゃ気にするタイプ。言わんでいいことを酒の勢いで口滑らしたこの感じ。うわ~。そういうのだけピンポイントで蘇ってくるよな。マゾなんかな。気まずいな~。あそこのチャーハン激ウマやのに。俺が今まで食べてきたチャーハンの中でもダントツやわ。究極のチャーハンに出会ってしまったな。旅もそろそろ終盤に差し掛かってきたんかもしれんな。

 ほんで?次どっか行ったか?もう一軒行くか、みたいな流れになって。あかん。覚えてないわ。

え。どこ行った?二軒目で?二軒目で俺、鼻折られたん?うそやん。あんま、ないやろ。4軒目とかちゃうの?せめて深めの時間帯の傷であってほしい。一軒目でそんな酔ってたん?うわー、怖いわー。誰ー?誰と喧嘩したんー?ほんであいつは?どこいてんの?そうや。あいつはなんで仲裁してくれへんかってん。普通俺が誰かとモメてたら、止めるやろ。俺やったら絶対止めるもんな。間違いなく。それが友情やもん。あれ?ちょっと待って。



 あいつ?


 あいつにしばかれたってこと?あ、なんか。蘇ってきたぞ。あ。


……?


………!


…………!?


あいつに、おもっくそしばかれてる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ