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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

さまざまな短編集

異世界だけど大災害

作者: にゃのです☆

 こっちに飛ばされた瞬間。

 火山が大噴火し関連して地震が発生。

 これが起点となり海で地震が発生し大津波が沿岸を襲う。

 その中で揺れる大地にしがみついて地獄のような惨状を目の当たりにしていた。


「な、なにがどうなっているんだ!」


 地獄体験のつい数時間前まではとある農村の畑で土を耕していた。

 土いじりが趣味みたいなものだった。植物を育てたいとは思ってクワをふっていた。

 そんな時にクワが土に刺さった瞬間にまばゆい光と共に場所が一瞬で変わった。いきなりの大災害、普通の人でなくても動揺する。


「いつになったら、この揺れやらはおさまるんだよ!」


 揺れは縦にも横にもひどく、地面が次々と割れていく。もちろん、自分がいる場所も例外ではなかった。近くの木が割れ目によって倒れてくる。

 体を動かすことなんて全くできない。倒れてくる木は俺を押しつぶそうと迫ってくる。

 土煙と共に俺の目の前に横たわった。倒れる気が人一人分ズレて、俺に向かって倒れてきた危なかった。

 いつの間にやら、揺れはおさまっていた。

 しかし、火山の噴火の影響で空は真っ暗になり灰が降り始める。

 山からは赤い溶岩が次々流れてきているのが遠めでもはっきりと見ることができる。

 とりあえず、近くの村か何か、人がいそうな場所に移動しよう。

 海の津波も気になる。


 人里と呼ばれそうな場所はひどい惨状となっていた。

 おそらく村と呼ばれていたであろう集落は見える範囲の家はすべて倒壊。火災が発生している場所もありその範囲も広がっている様子だ。

 住民は家の倒壊に巻き込まれた。というよりも、火山の噴石がいくつも直撃した後があった。

 遠目に見えても、大噴火であれば噴石も届くくらいのパワーがあるのかとしみじみ思った。

 生存者がいないか各家を丁寧に見て回る。

 とはいえ、今俺の手元にあるのはクワ一本だけ。

 人助けには心もとない。

 そう思い。倒壊した家から使えそうな道具を拝借していく。

 

「これだけの被害だ。もうここは移動した方が良さそうだな」


 全滅した村を後にして次に向かう。

 その間も余震や火山灰が降ってきたりと被害がまだ増え続けた。

 次の集落を見つけるようにして歩いていると、正面から女の子が走ってきた。

 服はボロボロ、所々こけたのか血が流れていたりするケガや打撲痕が付いていた。

 その子は、僕を見るなり抱き付いてくる。


「た、助けて!」

「どうしたんだ?」

「“とぉ”と“かぁ”が!」

「お父さんとお母さんだな。どこだ? 案内できる?」


 女の子は小さく頷き、その場所まで案内してくれた。

 女の子の家は完全に倒壊しており、家の後ろからは黒煙が上がっている状態だった。


「大丈夫ですかッ! 無事なら返事をお願いします!」


 家の柱の隙間に大声で話しかける。

 するとかすかにだが、返答があった。


「今助けますので、しばらく辛抱していてください!」


 そう言って屋根をクワでぶち破り、前の集落で拾った木を切る道具みたいなもので柱を切断していく。作業はかなりの時間が経った。元より、手ですべてすると時間が掛かってしまうが、今はそういうことではない。

 救いだったのは、挟まれていたところが助け出すため、穴をあけた屋根から非常に近い場所だった。

 足に挟まれたお父さんとお母さんを発見。挟まれていた木材をどかして二人を救助したが。

 すぐに呼吸状態が悪化。二人とも帰らぬ人となった。


「くそ!」


 助けられなかった両親に泣きながら近づいて抱いていた。

 ただ、ゆっくりしている暇はなく、家が炎と黒煙が激しくなり、家を取り込んでしまった。

 泣きじゃくる女の子と一緒にその場を離れた。

 目指すは大きな町、人が集まる場所に避難することにした。


 またいつか帰ってきて弔うために今は生きることを諦めずにいようと心に決めた。


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