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神々の愛し子  作者: chima
歩み始める一歩
15/32

ひと休みの植物園


翌日――


異変を感知したのは美形さんと朝食を戴いている時だった。例に漏れず、抵抗むなしくヴァルトさんのお膝で雛鳥なルナは開口、咀嚼、嚥下、開口、咀嚼、嚥下とひたすらに無心で繰り返していた。そこに、1羽の小鳥が飛び込んできたのだ。



不思議なことに窓はしまっている。つまり、硝子を通り抜けた事になる。そして、羽が輝きを放っているのだ。いや、表現を間違えた。日本でいう金粉をパタパタと羽を動かす旅に撒き散らしているのだ。綺麗ではあるが……衛生的ににはどうなのかと冷静に思う。



さらに奇妙な鳥は……



『ピチュピチュ、お知らせ! 本日、12時 ピチュッ ルルディ(Rurudi=花)神殿 ピチュッ インタカエルム 天空の間 ピチュッ 以上 終わり ピチュッ バイバイ ピチュチュチュチュ』 パタパタパタ



『『「………」』』


(((金粉、すり抜ける鳥、話す鳥、神殿……金粉……)))




見下ろす先には小さな山となった金粉。サラサラと風の流れで散らばる粉。どうするのこれ……。



『か……神の御使いですよ……ね』

『あぁ、あのタイプは初めてみたな……』

「金粉……どうしますか……」



金粉、何かに活用……純金なら食べれるけど避けた方がいいよね。


『ひとまず、容器に保存しよう』



『12時と言っていたか……』



時間の単位こちらも同じなのかな。何時何分単位なら分かりやすくて助かるけど。



あれ、今まで平然としていたけど、みんな日本語? 所々、聞きなれない言葉はあるけど……。



『えーと、現在は9時になりますね』



まあ、解るに超したことはないから良いか。



『時間まで余裕があるし植物園でも行くか?ルナは園芸が好きなのだろう?』



『それはいいですね。 レリクア庭園の方はいかがでしょう?』


『セラピアか、ルナは香草にも興味はあるか?』


「ハーブですか? はい! 植物全般好きです!」



『殿下、また勝手に食べたらピア薬術長に叱られますよ。許可を先にお取りしましょうね』



『……そうだな。ピアの説教はくどい……』


「ん?」



何はともあれセラピア植物園の見学及び試食の許可がおりた。なんと、フィーさんが同行して食せるものを見極めるのだとか。美形さんもヴァルトさんも知識はあるようだがフィーさんは嗅覚で毒か否かを見極める天才なのだとか。さすが猫と言えよう。



そして・・・・・・癒しの庭園、レリクア庭園に続く広場に(そび)えるセラピア植物園。ハーブやアロマに関係する自然医薬術および食薬の研究施設になっている。



「あ!あれはカリンの実かしら? あー! レモン! 梨! 環境背景の違いは関係ないの? なんでもいいわ! すごいすごいすごい!」


地球ではハウス栽培やらと方法を換えて栽培もされるが、ここにある植物を軽く見渡す限り関係ない様子。まあ、日本のものと同じとは限らないけれど丁寧に管理された植物たちに感動する。



『ルナ、走ると転ぶぞ』


『クスクス 聞こえておりませんね。それにしても嬉しそうにされて、お連れしてよろしかったですね』


『あぁ。そうだな』



突然、異世界に飛ばされたとなれば衝撃や不安は計り知れない。一日二日で不安を取り払えないと思っていたが、思いのほか胆力がある様子。日本とのパイプがあるということで心の安定を計れたのかもしれない。何でも良い、心穏やかに超したことはないのだから、よかったとルナを見つめながら思う美形さん……アレク皇太子だった。



『ルナさん、こちらはコルムという名の果実です。喉の痛みによく効きます。生食も出来ますよ。召し上がられますか?』



さっきみたカリンのような黄色い実



「戴いても良いですか?」


『コルムか、私も昔よく摘み食いしていたな。ヴァルト、それをこちらへ』



なんと、皇太子であられる彼が器用にナイフで皮を剥ぎルナの一口大に実をカットしていく。手慣れた様子にぽかんっと口を開けるしかない。



『ふふ、甘えん坊だな? さてお口に合うかな?』


『!!!』



言わずとも解るだろう。口を開けたことで催促と受け取った美形さんの手づからコルムの実がルナの口へと与えられた。ご満悦の表情、それはそれは美しいですね。



『どうかな?』


「あ! 美味しいです!! 」



恥ずかしさも一瞬。口に広がる甘味な風味にメロンを浮かべる。木になるメロンがカリンの効能を持っているのだな、うむうむとひとり納得するルナだが食べ過ぎるとお腹を壊すと聞き、最後にひとくちだけ貰いご馳走さまでした。



その後、キラキラと目を輝かせ右へ左へと視線を移し、あっちでニコニコ、こっちでニコニコと駆けるルナの足では遠くには行けないだろうと特に強く注意することもなく方々はゆったりと着いていく。


ただひとり、猫のフィーだけは大忙しの様子。ルナの行動に張り付き毒草に触れようとすればスライディングで阻止、阻止されたと思わないルナからは甘えているのだと勘違いされる。


関心が他の植物へと向くと再びくっついて行き、大いに職務を全うするのであった。猫はあくまで猫サイズ。『そろそろ時間か』と美形さんの声がかかる頃にはぐったりとするフィーさんでした。



「ごめんね、フィーさん。 ……また連れてきてね」


『んなぁぁぁん、フゥ』



ルナは忘れていました。毒草を見極めるためにフィーさんが同行していたことを、くっついて走り回っていたのは遊んでいるのではなく仕事でした。すべてを察していながら憐れみと笑いを複雑に混ぜこみ黙視し続けたヴァルトさんには、後日フィーさんからちょっとした復讐があったとか無かったとか……。



・・・・・・



『うふふ、愛し子は可愛いわね』


『ほんに、きっかけはどうあれ(わらわ)たちも愛し子の加護者になれて幸せであった』



『過去形となされず、世界(くに)は違えど変わらず愛し子を見守ってくだされ。日本神の方々も愛し子にとっては親神の一柱ですよ、伊邪那美殿』



『このような事態になってしもうて心苦しくあったが、ありがたいのう。なあ、天照』


『感謝します、ディオ殿。我々にとっても愛しい子。微力ながら加護を継続させていただきますね』



『さあ、御二方もこちらへどうぞ。月うさぎの自慢の汁粉が御座いますので、宜しければ御召し上がりください』



『おお! ディユスの月うさぎは相変わらず賢い。有り難く頂きます、天照もこちらへ! 冷めてしまうぞ!』


『はいはい、焦らないでもお汁粉は逃げませんよ。私も有り難くいただきます』



天界 ディユスにある神託の間へと繋がる一室。


そこに居られるはディユスの四天王、席をはずす太陽神キイルを除く主神ディオ、月神ミルス、冥界(パラインフェロス)神 グレス、そして日本神界より最高神 天照、冥界神 伊邪那美


ルナとの対面まであと少し――――


なんだか、うまくまとまりませんでした。

お直しするかもしれません。

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