平行線から直線へ進みだす 一話追加分
1話追加分です。2話も近日中に公開します。
手が熱い……。重い瞼を開けると手が血まみれで咄嗟に辺りの状況を確認した。
薄暗い中、目を細めると足元には私が殺した者たちがいた。
かつての敵、かつての仲間、友や家族までもいる。またこの夢なのか……。全く我ながら呆れたものだ、後悔しても意味がないというのに……。敵は勿論の事、私の大切だった人も決まって最後は私を恨んだ、絶対に許してくれるはずがない。
「――どうして殺したの? どうして?……」
小さく溜息をつく、死体が一人また一人と立ち上がり私に向かいポツリポツリと言葉を吐きつけた。
「――みんな居なくなって貴方はもう独り、誰も助けてはくれない、誰も貴方を赦しはしない」
そんなこと分かっている……。最初から許してもらおうなんて思っていない、だからお前たちが私の事をひどい者を見る目で見てくるのも構わない、しかし心とは裏腹に涙が一筋頬を伝った。
「――何も成せず死ぬだけだ」
「それなのに――どうして生きているの?」
家族が……友が……仲間が私に向かって言い放つ、何も成せないと……私などが生きていても仕方ないと……耐え切れずその場に蹲ると、昨日のカラスの群れを思い出した。
見知らぬ土地で誰かに見つかる事もなく、ただ意味もなく朽ち果てる……そんな想像が出来てしまう……。
誰か……教えてくれ、私はどうしたら変われる? 意味のある、価値のある人間になれる? ここじゃないどこかにどうやったら行ける?……。
「――カァ!カァ!」
「おい!闡釐!そろそろ起きろ!」
その声にハッとなり飛び起きた。辺りを見渡すとまだ少し明るいことに安心した、胸元を確認すると汗でびっしょりと濡れていた、きもちわるい……。
「全く……悪い夢ね」
そう呟くと、カラスは首を傾げた。
「なにが?」
なんとなく魘されていたことを伝えたくなくて、そっと額を伝う汗を拭いてから答えた。
「貴方の夢のこと……。――夢魘。貴方の事そう呼ぶわ」
「……縁起でもねえ名前つけんなよ。でもまあ……俺にはぴったりかもな」
夢魘が静かに笑うと私もクスクスと笑った。
「夢魘、私のこと食べないでよね?」
「なんのことだかな」
友達の方で団地ファンタジーも公開しているのでそちらもご覧下さいね(°д°)