アリガトウ【200文字】
白いワンピースが風に揺れ、頭の麦藁は高く飛ばされた。
赤いリボンは真っ直ぐこっちに流れ、僕は手を伸ばして捕まえた。
帽子を渡すと、少女は突如崩れ、肉から骨の覗かせて唇を動かした。
…そして僕は目を開けた。
荒い息と、張り付くシャツ、一瞬何処だと疑うが、撮影旅行中だと気付き、息を吐き出した。
宿の傍の滝で写真を撮った帰り、見覚えのある帽子を見て心臓が跳ねる。茂みで帽子を拾い上げると、土から白い布が覗いていた。
ずっと気になっていた200文字小説に挑戦。
使いたい表現、修飾語全否定な文字数との戦い…葛藤。
ついでにホラーの研究を兼ねて。