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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第七章 育てたアイドルに魔の手が 迫るってマ?

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卑劣な策略

 絵梨花ちゃんに、有名監督の丸手や脚本家の瀬久を差し向けられ、無理矢理枕営業をさせられそうになっていたところに現れたのは、高級そうなスーツに身を包んだ端正な顔立ちの青年だった。


「原口さん。悩んでいると思い詰めた様子だったから、来てみれば、まさか元仲間を枕営業に堕とそうとするなんて! さっ、果林さん。こちらへ!」


「あっ……」


 青年に手を引かれて、丸手監督や脚本家の瀬久の手から解放されると、絵梨花ちゃんは驚愕に目を見開いた。


「柏崎さんっ?! 何をっ?! だって、これは、あなたが……!」


「「あ〜。果林ちゃんがイケメンに取られたぁっ」」

「ほほぅ……! ピンチにイケメン登場。なかなかドラマチックな展開ですね!」


 丸手と瀬久は残念そうな声を出し、カメラマンの鈴木は何故か興奮したように叫んでいる。


「ま、それなら、また絵梨花ちゃんでもいっか。ゲヘヘ……」

「ああ、3Pは初めてだし、カメラマンいるし、新鮮かも。ムフフ……」


 ガシッ✕2 ズルズル……!


「あ、あなた達、やめて! キャーッ!!」


「絵梨花ちゃん!」


 丸手と瀬久が今度は絵梨花ちゃんの腕を掴み、ベッドの方へ引き摺っていくのを止めようとすると、青年に阻まれた。


「彼女は、自業自得ですし、こういった事に慣れています」

「え、ええっ。でもっ!」


「おおっ!決定的瞬間を撮りますね?」


「キャーッ!! 助けて! 柏崎さんっ! 柏崎さんっ!」


「さ、今のうちに逃げましょう!」

「え、絵梨花ちゃん!」


 カメラマン・鈴木の呑気な声と、絵梨花ちゃんの悲鳴を聞き、堪らない気持ちになりながら、青年に強く手を引かれるまま、ウチは部屋の外へ出てしまったのだった……。


         ✽


 ガチャッ。


「僕が取っている部屋です。誰かが迎えに来るまで、しばらくここにいて下さい」

「は、はいっ」


 青年に、絵梨花ちゃんの部屋の上の階の一部屋に勧められるまま、室内に一歩を踏み入れると……。


「あっ……」


 膝ががくがくになり、ウチはドアの引き手に手をかけたままその場に座り込んだ。


「す、すみません……。安心した途端、足が竦んで……」


 気まずい思いで説明すると、青年はニッコリ笑った。


「あんな目に遭ったのです。無理もありません。ゆっくりでいいですから、そちらのソファにでもどうぞ? 今、ハーブティーをお出ししますから」


         ✽


「どうぞ? 少し苦いですですが、落ち着きますよ?」

「ありがとうございます……」


 ウチはカップに口をつけ、フーッと息をつき、青年に微笑みかけた。


「本当だ。苦いけど、落ち着く……。改めて、助けて頂いてありがとうございました!

 あなたとどちらかでお会いしましたっけ? お顔に見覚えがあるのですが……」


「ああ。桃谷果林さん、僕は随分前、実業家のパーティーでお話した事がある柏崎です」

「ああ! 柏崎さん! 今、思い出しました」


 煌めく端正な笑顔を記憶にある顔と結び付け、ウチはポンと手を打った。


「あの時は、果林さんがすぐに帰られてしまって、残念でした。僕はあれから、ずっとあなたにお会いしたいと思っていたんですよ? 今日、あんな場面でしたが、あなたに再会できたのは実は嬉しかったんです。運命的なものを感じてしまって……」


「えっ……」


 熱っぽい瞳で迫られ、ウチは戸惑ってしまう。


「あ、あの……。助けて頂いてとても有難いのですが、ウチには既に婚約者がいまして……」


 助けて貰った手前、言い辛い気持ちで釘を刺すと、柏崎さんは笑顔を崩すことなく頷いた。


「ああ、存じております。マネージャーの方への長年の初恋を実らせたとか! 素敵ですよね〜。


 ただ、僕はあなたのファンとして憧れているだけで、果林さんを困らせるつもりはありませんので、ご安心下さい」


「そ、そうでしたか……」


 ホッと胸を撫で下ろすと、あらっちゃんの心配げな顔が浮かんだ。


「あの、あらっちゃ……、彼に連絡をしてもいいですか?」


「はい。ぜひ、婚約者の彼に無事を知らせてあげて下さい。 落ち着いて報告できるよう、もう一口お茶はいかがですか?」


「あっ。はい。では、失礼しまして……ふうっ」


 柏崎さんに勧められ、ウチはもう一口口をつけると、スマホを取り出した。


 あらっちゃんの画面を出そうとして、目を擦った。


「あれ? なんか、目が霞んで……、体も重っ……」


 ガタンッ! ドサッ!


 ウチがスマホを取り落とし、その場に倒れ込むと、さっきまで紳士的だった柏崎さんがウチに下卑た笑みを向けていた。


「おやおや、疲れてしまったのかな〜? ベッドで少し休みましょうか? 果林ちゃん♡」


「な、なん……で……」


 ウチはそう呟き、目を閉じた……。


 瞼の裏に浮かぶのは、やっぱりあらっちゃんの笑顔だった。





*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 果林に柏崎に魔の手が!?

 新は果林を守る事が出来るのか、来週の展開を見届けて下さると有難いです。


(※心配過ぎると思われる方はネタバレになりますが、タグを付けて置きましたので、よければご覧下さいね)


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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