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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第七章 育てたアイドルに魔の手が 迫るってマ?

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元メンバーの告白

 それから、ウチは雑誌のインタビューとラジオ番組の仕事を終え、渡されたメモに書かれていた場所、トリプルスターホテルの380号室へ向かったのは、夜の10時を回っていた。


「果林、来てくれたの? そこにでも掛けて?」


 絵梨花ちゃんは、広いスイートルームでウチを嬉しそうに迎えてくれ、高級感のある肘掛け椅子に座るよう勧めてくれた。


「ありがとう……」


 そして、沈黙……。


 ウチが取り敢えず当たり障りのない話題を探していると、彼女はおもむろに話を切り出した。


「何から話せばいいのか分からないけど……、そうね。キラ星プロを出て、今のドロNUMAプロに入ったものの、最初はなかなか仕事が貰えなくてね? でも、ある人が業界の有名人を紹介してくれるようになって、それからは番組や映画で役がもらえるようになったの」


「絵梨花ちゃん、それって、もしかして……」


 ウチは嫌な予感にドキドキしながら問うと、絵梨花ちゃんは頷いた。


「ええ。あんたの想像通りよ。まぁ、俗に枕営業と言われる奴よ。

 最初は自分を安売りするようで嫌だったけど、皆やってる事だしね? 綺麗事だけでのし上がっていける世界じゃないわ」


「……!! 絵梨花ちゃん……! ||||||||」


 ウチよりも常に先を歩く芸能界の先輩のように思っていた彼女は、身を削って仕事を取っていた。


 さっき、廊下で様子がおかしかったのは、心も体も疲れ切っていたせい……?


 淡々と話す絵梨花ちゃんに、ウチは心臓がギュッと握られるように痛んだ。


 ガタンッ!


「何よ、その目! 同情なんか真っ平よ! それでも、ずっと弱小プロで守られていたあんたなんかより、売れてるんだからね!」


 絵梨花ちゃんは激昂して席を立った。


「それに、言って置くけど今日のは、ここにおびき寄せる為の演技だから!」


「え?」


 怪訝な顔のウチに絵梨花ちゃんは歪んだ笑みを浮かべた。


「あんたの婚約祝いにゲストを呼んであげたのよ? 皆さん、もう出て来ていいですよ〜?」


 バッ! ボフッ!


「「「ジャジャーン!」」」


「キャアッ!!」


 部屋のベッドから、布団をはぎながら、パンツ一枚の男性が三人飛び出して来て、ウチは悲鳴を上げた。


「こんな格好だけど、有名映画監督の丸手屑彦まるでくずひこで〜す♡」

「こんな格好だけど、売れっ子脚本家

 瀬久原介せくはらすけでーす♡」


「こんな格好だけど、カメラマンの鈴木一郎で〜す♡」


「……!!? あなた方、一体どうしてここに……|||||||| 絵梨花ちゃん?」


 素行が良くないと噂されるひげ面の映画監督(トランクス派)、陰気な顔立ちの脚本家(ブリーフ派)、そしてどこにでもいる顔立ちのカメラマン?(ボクサーパンツ派)の出現にウチは後退ると、絵梨花ちゃんは高笑いをした。


「あははっ。皆さん、あんたと親密になって、お仕事したいんですって! 結婚後に仕事がなくなる心配がなくなってよかったじゃない?」


「絵梨花ちゃん、騙したのっ? ひっ!」


 絵梨花ちゃんを睨み、すぐに部屋の外へ走ろうとしたけれど、丸手監督と瀬久脚本家が迫っていた。


 ガシッ✕2

「果林ちゃん、逃げちゃダメだよ?」

「果林ちゃん、一緒に楽しい事しよう?」

「では、僕は皆さんのメモリアルシーンを撮影するとしましょうか?」


 男達に両腕を掴まれ、カメラを向けられ、私は慄いた。


「絵梨花ちゃんっ! お願い! こんな事、やめて! 助けて!!」


 必死に叫ぶ私に、絵梨花ちゃんは邪悪な笑みを浮かべた。


「ふふっ。じゃあね、果林! 元メンバーのよしみで、小松崎さんには秘密にしておいてあげるわ。逆に彼も仕事が増えて喜ぶんじゃないかしら? ごゆっくり〜」


 バタン!!


「っ……!||||||||」


 そう言って、絵梨花ちゃんは部屋の外へ消え、私が絶望を噛み締めた。


「さぁ、果林ちゃん、ベッドへ行こうか〜?」

「果林ちゃん、優しくしてあげるからね〜?」

「撮影もばっちりですよ?」

「いやぁっ!! 放してぇっ!!」


 男達に声をかけられ、必死に抵抗しようとしていると……。


『おい、ここで何をやっているんだ?』

『えっ!? なんで、あなたが……』


 部屋の外で、絵梨花ちゃんが誰かと会い、戸惑ったような声を出した。


 ガチャッ!


 !!


 そして、部屋のドアが開き、見たことのある男性が姿を現したのだった……。




*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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