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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第六章 育てたアイドルと甘々デートするってマ?

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元婚約者 わが道を突き進む 

 ザザーン……。


『っ……。でも、それと同じだけ、彼女に幸せでいて欲しかったんだ……』


 波の音と共に、さっきの音声を何度も聞かされながら、ちょっと気まずい俺は言い訳を口にしていた。


「あの、果林? さっきのアレは今更美咲さんとどうこうなりたいという訳じゃないからな……」


「分かってるよ? あらっちゃん。それに、私の勘だけど、あの人、すぐ立ち直るんじゃない? 窶れてはいたけど、ふてぶてしい事言ってたし、なんか生きる為の強かさみたいなものを持ってる気がするよ? ムカつきはするけどさ!」


「ふっ。確かに……。案外そうかもな?」


 果林の言葉に、法律事務所で果林と言い合ってる時の彼女を思い出し、俺は苦笑いした。


 ウチの事務所も古丸美咲かどうかはっきりさせず、SNSの誹謗中傷して来た相手とは、示談で和解したと声明を出したので、世間もじき落ち着くだろう。


 俺が今まで愛したと思っていた穏やかな優しい笑顔の()()は幻だった。

 代わりにアイドルという幻のような存在の筈の()()が、隣にいて俺に確かな温もりを与えて傷を癒してくれる。


 この胸の痛みが消える頃には、美咲さんも逞しく幸せを掴んでいるかもな。


 俺の知らないところで……。


 もう、彼女とは二度と会う事はないし、消息すら聞く事はないだろう。そう俺は思っていたのだが……。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


《古丸美咲視点》


「ふぅっ……。とんだ目に遭ったわ ||||||||」


 SNSの件で、元婚約者とアイドルに追い詰められ、アイドルの所属する事務所から慰謝料を請求され、それを払った両親から勘当されて、家賃三万円の安アパートで、コンビニバイトをしながら一人暮らしする羽目になった私・古丸美咲(29)


 新さん、元婚約者の私をこんな目に遭わせて助けてくれないなんて、ひどい!


 ウチの両親も、慰謝料を請求されて差し迫った状況だからって、勘当するとか、あり得ないわ!


 婚約していた頃は、新さんの事を「弱小芸能プロに勤めているようなフツメン男に、お姫様のようなお前は勿体ない。もっといい相手はいないのか?」と文句を言っていたくせに、今や手の平を返したように「なんで婚約破棄したんだ? 予定通り、あの男と結婚していればこんな事にはならなかったのに」「()()()()()()()()()()()()()()()アラサー女のお前を引き取ってくれる優良物件だったのに!」と散々責められ、追い出された。


 全く、こんなに優しくて賢い私に的外れな暴言を吐くなんてとんだ毒親だわ!


「ふふっ。でも、大丈夫」


 私はすぐにこの生活を立て直す名案を思い付いた。


「これさえあれば……!」


 パソコンを起動させ、私は机の上にマイクやカメラ、スピーカーなどの機材を設置し、ニヤリと笑みを浮かべる。


 別れた実さんから貰ったお金は全部使ってしまったと皆には伝えていたけれど、実は20万円程が余っていて鞄の底に隠し持っていたのだった。


 それを元手にこの機材を買った。


「SNSはもう懲りたわ。民度も悪いしね?(←※美咲、SNSの場を自ら荒らした事は棚上げ) これからは、ヨーチューバーとして生計を立てていくわ! 美しい私がちょっとセクシーポーズでも取れば、余裕で百万再生ぐらいいくでしょ?」


 顔を全部晒すのは流石に抵抗があり、仮面舞踏会で使うような目元を隠すマスカレードマスクをつけた私は動画撮影を始めた。

        

「こまる……じゃなくて、小股の切れ上がったいい女、み・さ・き・んで〜す♡ うふ〜ん♡ あは〜ん♡」


 黒い際どいキャミソールを身に着け、ベッドの上で色っぽいポーズを撮って、すぐに動画をネットに上げるも……。


「え。これだけ?」


 視聴者数は僅か3。


 その後数時間待っても視聴者数は5以上伸びず、一件だけコメントがついた。


『目の下の隈すご! おばさんのせんたく板見せんな。時間返せ』


「なっ……! 失礼ねっ、まだ29才なのにおばさんはないでしょ!?」 


 あんまりなコメントに私は憤慨し、壁際の姿見で自分の姿を確認してみる事にした。


 確かに顔の血色は悪く、マスクをしていても目の下が一部青黒くなっていて、キャミソールの開いた部分から浮いた肋が覗いていた。


「目の下隈、そんなに目立つかしら? せんたく板? 確かに最近食欲なくて痩せたけど、男の人は痩せた女が好きなんじゃないの? むう〜、今に見てなさいよおぉっっ!」

 私は拳を握り締め、ヨーチューブリベンジを誓った。


         ✽


 バクバクバクッ!


「はふはふっ。また、いい女になっへやる〜〜っっ!!!」


 その日から、バイト先の廃棄弁当を大量にもらい、ドカ食いする日々が始まったのだった……。


*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今回で六章最終話となります。

 間男、元婚約者、それぞれ動き始めました。

 七章 育てたアイドルに魔の手が 迫るってマ?では、果林を狙う間男に新はどう立ち向かっていくのか見守って下さると有難いです。


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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