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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第六章 育てたアイドルと甘々デートするってマ?

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新たな画策 新たな刺客

《間男 柏崎かしわざき頼愛らいあー視点》


 桃谷果林ちゃんとの出会いは、三年前。


 人気アイドルの彼女が、ソロでも活動し始め、番組で共演したグラビアモデルに実業家達とのコンパに半ば強引に連れて来られた時の事だった。


「桃谷果林さん、ホント可愛いね?」 

「彼氏いないの?」


「い、いませんよ〜。期待してくれる人もいるので、今は仕事を全力で頑張りたいと思ってます!」


 場慣れしておらず、他の実業家達のあけすけな問いに緊張しながら答えている彼女に俺は瞠目した。


 彼女の言葉には、単にアイドルとしての模範回答を言っているだけではなく心底そう思っているような響きがあり、裏表の激しいアイドルやタレントを数多く食って来た俺には、とても新鮮に映ったのだった……。


「桃谷果林さん、確か20歳過ぎてたよね? お代わりいる?」

「あ、じゃあ、ピーチフィズをお願いします」


 お酒を勧めながらさり気に彼女の隣に座り、話を振ってみると、仕事の裏話などを楽しそうにしていた。


「ドッキリの番組がある事は聞いていたんですけど、リアリティも大事だって内容の詳細は教えてくれなくって、アヤちゃんと舞弓ちゃんがいつの間に◯ックとガチャ◯ンに変身していて、死ぬ程驚かされちゃったんですよ」


「へぇ〜、その番組、リアリティを大事にしてるんだね?」

「いえ、あらっちゃ……、マネージャーが熱い人で、ウチがどれだけ印象深く活躍できるかすごい考えてくれるんですよ。番組の為に練習しなきゃいけない事があると付き合ってくれて。仕事もプライベートもいつも一緒にいるような感じですね。ふふっ」


 嬉しそうにそう言う彼女に、俺は眉を顰めた。


「え〜、いくら仕事熱心とはいえ、流石にプライベートまでマネージャーに干渉されるのはキツくないかな?」


「え。別にキツくは……(寧ろ、いつも一緒にいられて嬉しいし)」


「いやいや、君ももう大人なんだし、人付き合いを広げる為にも少しマネージャーと距離を置いた方がいいよ。 せっかくの機会だし、この後、二人で抜けて話し合わない?」


「え、えーと……」


 彼女こそ、芸能界に咲いた清純な花にして、俺にとって真の天使。

 

 今まで数多くの女達をたらし込み、時には業界の有名人に斡旋までして対価にそれなりの利益を得ていた俺だが、彼女にはそんな事はしない。伴侶として大切に扱ってあげるつもりだ。


 イケメンスマイルを煌めかせて、今夜、何としてでも彼女をモノにしようと迫ったのだが……。


 チャラッチャララ♪ チャラッチャララ♪

「あっ。すみません、なんかマネージャーから電話入っちゃって……(助かった〜! あらっちゃん、ナイス!)」


「あ、ああ……」


 邪魔な電話が割って入り、その後急な仕事が入って、下にマネージャーが迎えに来ていると、すぐに果林ちゃんは帰ることになってしまった。


 いいところで俺の天使を奪われ、納得出来ない気持ちで店を出る彼女の後を付けると……。


 駐車場に止まっている白い社用車に果林ちゃんが嬉しそうに駆け寄って行くのが見えた。

「あらっちゃん〜」

「もう、果林は気をつけろよ?」


 車の窓からスーツ姿のフツメンが顔を出したのが目に入った。あれが果林ちゃんのマネージャー? 男だったのかよ!


「お前が無理に連れて行かれたコンパ、女100人切りのプレイボーイがいたらしいぞ? 目が合った女は全員狩られるとか……」

「ひっ! そうなの? 怖っ! 早めに抜けて来てよかった〜」


「まぁ、今日みたいに、困った時はすぐ俺を呼んでくれ? いつでも駆けつけるからよ」

「(きゅん♡)あらっちゃん、ありがとう〜!」 

 ギュッ♡

「うわっ!//」


 !!!


 果林ちゃんがその男の首に抱き着くのを俺は信じられない思いで見詰めていた。


「お前、酔ってんのか? もう、早く乗れって!」

「ふぁ〜い♡」

 ガチャッ。バンッ。


 そうして、果林ちゃんはふわふわした足取りで車の助手席に乗り込み……。


 二人が乗った車が走り去るのを見送りながら、俺は苦い思いで奥歯を噛み締めた。


 俺は狙った獲物おんなは絶対逃さない。

 今日の屈辱は倍にして返してやる。

 あの邪魔な糞マネージャーを潰し、いつか清純な天使・桃谷果林ちゃんを手に入れる。


 例え、どんな手を使っても……!


 そう俺は誓ったのだ。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


 富豪実ふごうみのるという仮の名を使い、古丸美咲を煽って、奴を社会的に終わらせてやろうと目論むも、彼女が盛大に自爆したせいで失敗に終わった。


 やっぱり、顔だけで頭と性格の悪い女は使えないな。

 これを機に、彼女の住んでいたマンションの契約を切り、一切の関わりを断つ事にした。


「やぁ、待ったかい?」

「い、いいえ。今来たところです。柏崎さん!」


 いつもの店の個室席に向かうと、彼女は頬を染め、黒髪と同じ色の瞳を輝かせて俺を迎えた。


 この女と接触するのも久し振りだが、相変わらず俺にべた惚れみたいだ。


 流石は人気タレント。肌の張り、顔の造作、スタイルの良さ、古丸美咲とは比べるべくもないが、果林ちゃんのような清純な天性の輝きには遠く及ばない。


 仕事を取る為なら、芸能界のお偉いさんやP(プロデューサー)とも簡単に寝る女だ。


 俺も偶に遊んでやる程度だったが、仲介してやった枕営業に疲弊していたらしい彼女に縋って来られるようになり、面倒臭くなり、一時期、距離を置いていた。


 だが……。


 この女は、果林ちゃんをあのクソマネージャーから引き離し、アプローチを図るには、今、もってこいの駒。


 また会いに来てやったんだから、せいぜい俺の為に役に立ってくれよな……。


「久し振りにお会い出来て嬉しいです。 私……、捨てられちゃったのかと思ってましたよ」  


「そんな訳ないだろう? ()()()()()()


 俺はルミナス☆ミ 元メンバーの原口絵梨花に、にっこり笑いかけると、彼女の隣に座り、その肩を抱いたのだった……。



       

*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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