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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第六章 育てたアイドルと甘々デートするってマ?

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アイドルとマネージャーの海辺デート〜思い出の海岸編〜

「ふぃ〜、ちょこちょこ沢山食べちゃったね。もう、夜は入らない〜」


 あれから、僅か数十分の間に、ジェラート、海鮮焼きそば、えびせんべいと商店街のB級グルメを堪能した果林は、お腹を擦りながら満足そうな笑みを浮かべていた。


「ああ。俺も腹いっぱいになったよ。 この後のミニドラマの撮影にも控えるし、この辺でやめて置こうぜ?」


「もう、またお仕事の事言う〜」

「今日の予定はどうしたって気になるだろ」


 唇をとがらす果林に、俺は苦笑いで返す。


「まぁ、仕事熱心なあらっちゃんも大好きだけどね?

 そしたら、次はマネージャーとしてのあらっちゃんと、ルミナス☆ミ桃谷果林としてのウチの思い出の場所、行ってみよ〜!!」

「お〜!」


 ご機嫌で右拳を突き上げる果林に、俺もノリ良く追随して、次のデートの場所に移動する事になった。


        ✽


 商店街から車で30分ほどで、目的地のC海岸に着いた。


 ザーン……。


 駐車場を下りた途端、穏やかな波の音が聞こえ、潮の香りが辺りに立ち込めている。


「うわぁっ……! 懐しい〜!!」

 タタッ。カンカンカン……。

「果林、転ぶなよ〜!」


 シーズンオフで人気のない海を見て、目を輝かせた果林は、駐車場から海岸に続く階段を駆け下りて行き、俺はハラハラしながらその後を追いかけて行った。


 ザザーン……!

 ザザザーン……!


 夕焼けに染まる空の下、小さなその海岸にピンク色の波が静かに打ち寄せる様子は、9年前ここでMVを撮影した時と同様とても美しく、俺も果林もしばらく見惚れ、顔を見合わせた。


「綺麗だね……」

「ああ……」


 今は12月半ばで、とても泳げる水温ではないが、果林はスニーカーのまま、波打ち際まで歩いて行き……。


「覚えてる〜? ウチはここら辺! アヤちゃんはこの辺! 絵梨花ちゃんはこの辺のポジションだった!」


「ああ、そうだったな……!」


 MVを撮った時のそれぞれのメンバーの立ち位置をぴょんぴょんと反復横跳びのように動き、教えてくれる果林を前に、当時の事が懐かしく思い出された。


 果林は無事、キラ星プロ所属のアイドルタレントとなった後、三人組ユニットの『ルミナス☆ミ』の当時のメンバー・アヤ、絵梨花と共に、数ヶ月ダンスと歌の練習に明け暮れた末、ステージデビューを果たし、デビュー曲「元気だしてね、マイダーリン」のCDを出す事になった。


 そのMVをここ・C海岸で撮影する事になったのが11月半ば。12月の今程でないにせよ、気温が低い中、薄手の白いワンピースを着た果林、アヤ、絵梨花の三人は寒さに震え、キャーキャー喚きながら、撮影を頑張っていたっけ……。


 自然と笑えてしまっていた俺に、果林が焦ったように詰め寄って来た。


「あらっちゃん、何笑ってんの? もしかして、あの時寒過ぎてウチがくしゃみばっかりして、何度もNG出しちゃった事を思い出しちゃった?」


「ああ、そう言えば、果林はNG出しまくってたな。今、思い出したわ。ギャハハハッ!」


「ぎゃふっ。墓穴掘っちゃった! それは、忘れてよ〜//」


 俺が更に大笑いを始めると、果林は真っ赤になった。


「まぁ、あの時はデビューの時期で、まだ慣れていなかったし、皆何かしらやらかしてるし、気にすんなよ。


 まぁ、絵梨花は、人一倍上昇志向の強い奴だったから、ミスは少なかったけど、ウチの事務所とは合わなかったな……」


「……」


 途中でキラ星プロを出てしまった絵梨花の事に言及すると、果林はシュンとしたように目を伏せた。


「ま、他の事務所に行っても、上手く芸能界を渡っているみたいだから、よかったけどさ! 果林は、絵梨花とは違って、最初から芸能界に入る意思があった訳じゃなかったろ? だから、一度聞いてみたかったんだけどさ……」


「ん? 何?」


 不思議そうに首を傾げる果林に躊躇った末、俺は口を開いた。


「果林……、アイドルになって本当によかったか? 他にやりたい事とかあったりしなかった?」


「ふえーっっ!? それ、今聞く事〜〜っ!?」


 俺の質問に、果林は青い目を大きく見開いた。


「や、 あらっちゃんが、ウチに言ったんじゃん! 俺達の出会いは運命だって!


『お前には皆を照らすアイドルになる輝きがある! 俺はマネージャーとしてそれに惚れた!

 いつか、誰もが俺と同じように君に夢中になる日が来る。絶対だ!


 お前がトップアイドルになる未来の為に、俺は人生の全てをかける!』


 って、そこまで言って、ここまで一緒に怒涛の如く走って来たのに、今更そんな事聞くの、おかしいよ!


 あらっちゃん、おもろ〜!!

 アハハ、アハハハッ!!」


「う、うぐっ……。そりゃそうなんだが……」


 果林、なんで、そんな一字一句俺の言った事覚えてんだよ。


 果林に腹を抱えて笑われ、俺がダメージを受けていると、彼女はアイドルスマイルで俺に親指を立てた。


「プクク、いーよ。分かった! あらっちゃんの質問に対する答えを今からウチが行動で示したいと思います。えいっ! よっと!」


「うわっ! おい、果林っ……!」


 果林はそう言うと、目を見張る俺の前で帽子とサングラスを取ると砂の上に放った。



*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 思い出の場所で果林が取った行動は……? 新と果林が絆を再確認する次週も見守って下さると有難いです。


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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