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結婚直前に婚約破棄されたマネージャーの俺が育てたアイドルに拾われ婚するってマ?   作者: 東音
第五章 元婚約者にDV冤罪かけられるってマ?

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元婚約者の虚偽投稿とその報い

『このまま君の元婚約者がアイドルである桃谷果林ちゃん♡との結婚を世間に認められ、有名になれば、僕らが幸せな結婚を迎えるのにいつ障害になるか分からない。

 その前に、彼が桃谷果林ちゃん♡の相手として相応しくない人物だと、世間に知らしめてやればいい』


「! それはいい考えね。だけど、どうやって?」


 桃谷果林をちゃん付けにしている事に若干の違和感を持ちながらも、実さんの話に頷きつつ、具体的な方法を訊いた。


『SNSを使えば短時間に多くの人に拡散出来るんじゃないかな? 内容は皆が興味を持つように少し盛ってもいいかもしれないな。芸能人不祥事とググれば参考になるんじゃないかな?』


「なるほど……」


 流石、実さんは頭がいいわ。言われた通り、検索してみると、『不倫』『暴力』などの案件が沢山出て来た。


 婚約破棄は小松崎新の暴力のせいって事にすれば、私は被害者になって非難される事はないし、彼の評判も落とせるわ。


 私も頭いい!! 実さんとお似合いの二人ね!


『僕らの未来の為に頑張ってくれるかい? 愛してるよ☠ 美咲さん』


「もちろんよ! 愛してるわ♡ 実さん」


 愛を囁く彼にうっとりと返し、電話を終えると、私は早速行動を開始した。


『月桂樹』という名で新たにアカウントを作り、皆の目を引く内容の投稿を始める。


『告白します! 私は、桃谷果林のマネージャー、小松崎新の婚約者だった者です。実は、彼にずっとDVされていました!』


 続いて、アザのように見えるメイクを施した腕や顔の画像を送ると、すぐに私の既存アカウントの数百倍まで視聴数が上がる。


『え? マネージャー、ひどくね?』

『マネージャーの元婚約者って、自分から婚約破棄したんだよな? 理由はDVって事?』

『果林ちゃん、DVされてないか心配!』

『こんなのマネージャーなんて、キラ星プロ終わってる』

『いや、釣りだろ?』

『でも、画像あるし……』

『記者会見では、良きDTに見えたにのなぁ……』

『DV男に果林ちゃんは渡せん!』


 ふふっ! 大成功だわ。小松崎新、桃谷果林、ざまぁみなさい!


 私への同情、小松崎新や芸能事務所への非難のコメントが鬼のようにつき、二人に一泡吹かせる事が出来、胸がすく思いだった。


 けれど、その内こんな意見も出て来た。


『でも、なんかこのアザ、色不自然で、作り物っぽくね?』

『言われてみれば……。本当に暴力があったなら、診断書とれる筈だよな?』

『同意! 最近デマ投稿多いしな……』


 チッ。せっかく上手く行っていたのに! 証拠があればいいのね?


 私は数年前に通った事のあるフェイク整形外科の診断書をいじって、その画像を再度投稿し、こんな文面を投稿した。


『彼の事を愛していましたが、離れるしかありませんでした。 今もDVによるトラウマで外に出られません。

 それなのに、すぐに彼はアイドルと婚約して幸せだなんて……あまりに理不尽です』


 そして、またすぐに物凄い視聴数になり、コメントがついた。


『診断書あるじゃん!』

『やっぱ本当なんかな? 婚約者さん可哀想……』

『マネージャー死すべし!』

『果林ちゃん、目を覚ませ!』


 私へ同情的なコメント、小松崎新への非難は更に激しくなり、私が上手く行ったとほくそ笑んでいたけれど……。


『ん? けど、診断書に記載されている整形外科、一昨年に閉院してんよな?』


「え……?」


 続く一件のコメントに私は固まった。


 すぐにネット検索すると……。


『この度、諸般の事情により、令和▲年〇月✕日をもちまして、フェイク整形外科を閉院することとなりました。……』


「ああっ……! ど、どうしよう?」


 新さんと出会う一年も前に閉院している整形外科の診断書を使ってしまった。慌てて診断書の画像を削除し、営業中のスター整形外科に書き換えて診断書の画像を出し直すと、すぐに夥しい数のコメントがついた。


『いやいや、病院名変えて来てどうすんの? 明らかに偽造って分かんじゃん! 言い逃れ出来ないように、前の投稿のスクリーンショット貼っとくわ』

『ぷぷ。投稿主アホだ』

『やっぱガセだったか……』

『ごめん、DTマネージャーにDV疑惑かけるところだった』


『投稿主が何者か知らないけど、最近辞めた御局で、桃谷果林のマネージャーから金持ちの実業家に乗り換えたってマウント取ってくる奴いたな〜。メッチャうざかったんだけど、今、どんな気持ちでいるんだろ?』

『今もDVによるトラウマで外に出られません。って、投稿主が元婚約者なら、自分のやらかした事がバレるのが怖くて外出れねーんじゃねーの? もう、人生終わったも同然だもんな』



 ……!!!||||||||


「い、いやあぁーーーっ!」


 ガチャン!


 私は悲鳴を上げると、携帯を床に叩き付けた。


「ハッ! そ、そうだ。投稿を削除しなきゃ。アカウントも消せば、何とかなるかも……」


 そう思い立ち、携帯を拾い上げると、画面は黒い状態のままで操作できなかった。


「え? 嘘でしょ。もしかして今ので壊れた? あああぁっ!!」


 その後、再びSNSにアクセスした時にはリプ欄は私への非難で収拾が付かなくなっており、DMには、小松崎新の職場であるキラ星プロから弁護士を通して投稿の削除請求と訴訟を示唆する内容のメールが届いていた。


 どうしていいか分からず、実さんに連絡すると……。


『この電話番号は使われておりません……』

「!?」


 実さんから関わりが絶たれて呆然とする私に、マンションの管理会社から連絡が入った。


 マンスリーマンションの契約が、切れる為、一週間以内に立ち退くようにと……。

 どうしてこんな事になったの……?


 住むところすら追われ、実家に戻るしかなくなった私は、久しぶりに会う両親と兄に泣かれた。


 可愛がっていたのに、どうしてこんな娘(妹)に育ってしまったのかと……。


 ここにいるなら、せめてものけじめをつけてくれと、元婚約者の小松崎新と弁護士を交えて話し合うよう言われた。


 疲れ切った私はもはや、それに抗う気力がなかった……。


*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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