天使の膝枕とマシュマロ
「で、果林が大泣きして、その後事あるごとに俺に突っかかってくるようになって大変だったんだよ。あれって反抗期だったんかな〜」
引き続き実家で食卓を囲みながら、出会った頃のトゲトゲしていたかりんを懐かしく思い出し、家族に話していると、かりんがプク顔でぷるぷる首を振った。
「反抗期違うし! あらっちゃん、あれだけウチに、髪と目も大好きとか、ウチの事守るとか側にいるとか口説いといて、裏では彼女とよろしくやってたら、普通怒るでしょぉ!」
「えっ。果林が荒れてたのって焼き餅だったの?」
「新……。今更気付いたのかい?」
「お兄、鈍感過ぎるでしょ……」
母さん、妹の澪にも呆れ果てた目を向けられてしまった。
「お兄が彼女を作る度に果林ちゃんは傷付いていたんだよ? 私はよく恋愛相談されて、それで果林ちゃんと仲良くなれたのはよかったけどさ……」
「そうよ〜。 新が婚約をした時なんか、声をかけられないぐらい果林ちゃん落ち込んでいたのよ〜? 女子力を磨いて自信をつけたいって、家事とか手伝って貰ったのは有り難かったけど……」
「そそそ、そうだったんだ……。ごめんな。俺、果林の気持ちも知らずに……」
女性陣に責められ、彼女や婚約者が出来た時の自分の言動を思い返してみると、普通に浮かれちゃって、何なら果林にマウント取るように絡んでいったりしてた事を思い出し、俺は額に手を当てた。
「いいんだよ? あらっちゃん。これからは、ウチの気持ちを汲んでくれたらそれで……✨✨」
「果林っ……」
しかし、そんなダメな俺に果林は、正に天使そのものの微笑みで許してくれ、俺が健気な彼女に感動していると……。
「もう、婚約者なんだから、他の女の子に目を向けちゃダメだよっ? これで、家族皆の前でウチへの一途な愛を誓ってくれるかな?」
「え」
後ろ手に隠していた大吟醸・久保田の◯寿を果林に差し出され、俺は固まった。
「私への愛の大きさの分だけ飲んでね♡」
「え、えっとぉ……」
救いを求めるように男性陣を見ると、源じいは頑張れと言うように頷き、父親は、そっと盃を渡しがてら、耳打ちして来た。
「(結婚20周年になる既婚者からの忠告だ。こういう時の女性には逆らうな)」
「……!」
「はい。あらっちゃんどーぞ?」
どこにも逃げ場はないと悟った俺は、果林になみなみと注がれた盃を持ち、声を張り上げた。
「あいっ! 不肖、小松崎新! 桃谷果林への変わらぬ愛を誓いまして男を見せまーーすっっ!!」
グビーッ!
「ぷはーっ!」
「「「「「おお~っ!(フガフガッ!/バッブー!)」」」」」
「あらっちゃん、いい飲みっぷり♡ 次行ってみよ〜」
一気に盃を飲み干すと、家族から歓声が上がり、果林が嬉しそうに次の酒を注ぐ。
4杯目を飲み終わるあたりで意識が途切れ……。
✽
高揚する気分の中、俺は空の上にいた。
身体の下にはフカフカの雲の布団。
「ふぁ〜、天国天国♡」
柔らかくて適度に弾力のあるそれに顔を埋めると、とても心地よく、ずっとここから動きたくないような気がしていたが……。
ポフンポフン!
「うっ。なんだ?」
何かクッションのようなものに顔を圧迫され、見上げると、顔のすぐ上にも二つの半球上の雲が浮かんでいる。
「おりゃっ!」
フニュフニュッ♡
その雲を両手でつかんでみると、それはマシュマロのように柔らかかった。
「ああんっ♡」
「?? なんだぁ?」
その雲は甘い声を上げたので、不思議に思って更に揉んでみると……。
モニュモニュモニュッ♡
「ああっ、ああ……んっ……♡
あらっちゃあん……!//// ら、らめぇんっ!!」
「んんっ?!」
雲は更に切ないような喘ぎを漏らし、俺の名を呼んで来たので驚き、身を起こすと……。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
フワフワ……。ムニュウゥ!
「あ、あらっちゃぁんっっ////」
「ハッ。果林!!」
気付けば俺は和室で果林に膝枕されており、俺の顔の上にある大きな二つの膨らみを鷲掴みにしてしまっていた。
「ごごご、ごめんっ!!//// 俺、寝ぼけてて……」
慌てて手を離して謝ると、果林は真っ赤な顔でブンブンと首を振った。
「う、ううんっ。こ、婚約者だし、別にいいんだけどっ////」
うわ、マジか〜!
育てたアイドルのおっぱいを揉みまくってしまった……!
素晴らしく弾力のあるマシュマロのような胸の感触を反芻しながら目の前で揺れている魅惑的な双丘から目を逸らし、反応しかけた下半身を隠しながら、気まずい思いで果林に尋ねる。
「え、えっと、俺、どうしたんだっけ?」
「ああ、あらっちゃん、日本酒5杯目を飲んだら、潰れちゃったんだよ。飲ませ過ぎちゃってごめんね?」
果林は舌を出して謝って来た。
「あらっちゃんママがしばらく休ませてやってって、和室を用意してくれたの。澪ちゃん&始ちゃんと源じいちゃんはもう帰る事になって、今、ママとパパが車で送りに行ってる」
「そうか、帰り、二人に挨拶も出来なくて悪かっ……。うっ……」
「ああ、あらっちゃん、まだ休んでて?んしょっと」
起き上がろうとするとふらついて、果林に止められ、また彼女のフワフワした太ももの上に顔を着地させられてしまう。
「ふふっ。大丈夫? 辛かったら、今日はそのままここで寝ちゃっていいからねん? ウチ、添い寝したげる!」
「え? ……!!////」
果林の言葉に、ふと部屋を見渡せば、二組の布団がすき間なくピッタリくっつけて敷かれており、俺は目を見張ったのだった。
*あとがき*
いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m
読者様への感謝を込めて今日、明日(12/24・12/25)とおまけ話を投稿させて頂きます。他サイトになりますが、よければご覧下さいね。
https://kakuyomu.jp/users/koba-koba/news/822139841871424387
今後ともどうかよろしくお願いします。




