【プロットタイプ】噛んで、抗って
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
やっぱり犬扱いするんですよ。瑠衣って。
男性ホルモンと性欲には密接な関係があり、運動後の性欲の高まりの要因と一つだと感じている。其れに今の鏡花の周期が合わさると、どうにも抑えが効かなくなるらしい。
今も、丁度そんな状態。連休が続く毎に放浪を繰り返す。歩き続けた結果、疲労が溜まっているにも関わらず、自分の体を完膚なきまでに壊す方向へと興じる。下手な行動をしない様に、動くことさえままならなくなるぐらい。
瑠衣の体躯に馬乗りになって、此方を見下ろす。目はきっとギラギラしている。吐息が通常時と比較しても数テンポ早い。
熱くて仕方がない。内蔵が痒くて仕方ない。どうすれば良いのか分からない。だからどうしようも無くなって、胸の間を掻き毟る。
「配分と周期を考えろ。発情犬」
「体中が痒いの。口が……痒いの……」
瑠衣の蔑んだ様な物言いは的確だった。今の私がこんななのは、自分の周期を把握して居ながらも、運動量の配分を間違えたから。本能と理性の天秤が揺らいで、ギリギリ本能に傾こうしているから。
誰がどう見ても、私が犯した間違いだった。省みなかった私の責任だった。でも此処まで来たらもう止められない。
「ほらよ」
「んぐっ」
瑠衣は自分の手首の甲を私の口の捩じ込むと、そのまま全てを収める様に押し付けて来る。だから自らの舌でその甲を舐め回す。唾液塗れにして、気分を落ち着ける。
論理もない、繋がりも無い、私の飛躍した癖を、瑠衣はよく知っている。
盛りの着いた鏡花の相手をするのは面倒臭い。手負いの獣の相手をしているのと同義で、自らの制限が全て外れた状態で関るから。諌めるのに物凄く苦労する。
だが此奴の性格上、持続性があるとは思えない。だから一度でも発散させてやれば、後は何時ものペースに戻って来る。
此奴も相当参ってそうだったので、今回は手早く手短に。
「ほら、美味いか? 俺の腕は」
口の中に俺の手の甲を捩じ込んだ状態で、質問を投げ掛ける。返ってくるのは荒ぶった吐息ばかり。口の端から粘液が垂れても、気にする事なく押し込める。
其れでも目を見ていれば、この状況を嫌がって無いことは分かる。
俺は逆境に抗う人間が好きなのだ。今のお前の様に、俺の様に。
逆境に抗っている人間が好き。
だから悶え苦しむ人を見るのも好き。
最終的に打ち勝つ様を見るのが好き。
これだけ見るとやっぱり、瑠衣はサディストだなと思います。
運動後に人が獰猛になる、性欲が強まるって言うのは、何も二次元だけでなく、医学的に証明がされてます。
運動した時も、性欲が強まる時も、このテストステロンが向上するのが原因。
んでもって、放浪続き、疲労が溜まる、そうしたら休めば良い、と思うのが一般的な考えですが、鏡花の場合だとちょっとでもエネルギーが残ってると使おうとします。
せっかくの連休なのにぃ!? モードに入るから。
それと周期的な物が重なってしまったので、もう手に負えない。どっちか一方ならば、自分で抑え付ける事も可能だったかも知れませんが。
だから今は熱くて、痒くて仕方ない。
で、抑えられないとどうなるか。
矛先って瑠衣に向かうんですよ。
誰彼構わずって感じではないところは、やはり理性が働いてるから。
あと普段自分が言うこと聞いてるから、瑠衣も鏡花の要求も飲んでくれるから。
抵抗するけどね。嫌がるけどね。でも折れないとわかってるからやってるだけ。一種の戯れ。
鏡花の体質的に物凄い気紛れだし、今の自分を抑える方向に力を使ってるので、そう何度も求めない。
だから手早く、手短に。
さっさと噛ませて、発散させて、終わらせよう、という判断。
形振り構わず頑張る人間は大好きだけど、無駄は大嫌い。方向性が合致していたら、相乗効果でもっと良くなる。
と思ってるから、瑠衣が全力を出す時は、今の様に的が決まっている時ですね。