五十五話 終わらない夜
朝からおはようございます、どうもレンです。よし、挨拶はしたぞ?偉いと褒めろ、昨日の夕方からずっと寝てて、気付いたら朝だった………いや、夜だった、朝にならなかったんだ。確実におかしい、結構寝ていたはずなのに朝にならないなんて
「まぁ、いいや、外の空気を吸うか」
出ようとした瞬間、腕を掴まれた
「っとと、なんだ?」
俺の腕を掴んだのは莉乃香だった
「今は外に出ちゃダメよ」
「え?なんで?」
「先に見た方が早いわね、来て」
腕を引っ張られる
「ちょっと!おい!」
何故か女子部屋に連れてかれた
そこに居たのは英雄ギルド、ケヴァン、店長さんが居た
「は?お、おい、なんだよ………これ………」
重傷者2名
紫織
クレア
「蓮が倒れた後の話、あの時蓮が倒れた後………クエストが始まったのよ」
「なんだって!?確かにクエストのタイミングはランダムだが………クリアした瞬間は来ないはず」
「うん、でも来たの、クエストがね………5-2の炎の皇帝を撃破ってクエストあったわよね?」
「あ、ああ」
「そのクエストが急に始まって………急に目の前現れて、紫織とクレアだけ狙って帰ってったのよ」
(ど、どういう事なんだ?紫織とキャシーを狙った?なんか意図があって狙ったのか?それとも誰かの指示か?また指示だろ、これ)
だったら、そっちを倒すか………炎の皇帝を倒すか………いや両方だな、そっちの方が効率的だ。頼むからこれ終わったら、幸せをくれよ………クレアと紫織に幸せをあげてやってくれ、その為には俺が選択を間違えなけりゃいいんだよな。任せろ………1回ミスしたら、次はない。とにかく倒さなきゃ………あ、てか、なんで外に出ちゃいけないんだろうか?それだけ気になるな
「なあ、莉乃香」
「ん?」
「なんで外に出ちゃいけないんだ?」
「窓から見えなかった?ちょっと霧がかってたの」
「確かに………ちょっと紫色ぽかったな」
「あれは特殊魔法の毒霧っちゅうんや、誰が使ったのか分からへんが帝国の住民は外に出れへんのや」
「毒霧………家から出た人は居るか?」
「みんな、たまたま家に居たお陰でなんとか無事や」
「そっか」
毒霧があるんだったら、外には出れない………どうやってアイツらを倒せばいいんだ?転移スキルとかで行けたりしないかな、いやでも知らない場所には飛べないしな。あれは一度見た場所にしか飛べないスキルだ………他に策が無い、無理矢理行ってもそれは自殺行為、無効化スキルならワンチャンあるか?それもクレインから教わったからな、試してみる価値はある
「ちょっとドア前に行ってくる」
「え?外は危険です!レンさん!」
「違うよ、ドア前だってば」
(ドア前?ドア前で何をする気なんだ?レンは)
宿のドア前に立つ
みんなに見られながら、やるの結構恥ずかしい
(クレイン、俺に教えてくれてありがとう)
スキル パーフェクトインヴァリッド
毒霧を無効化する
「お、めっちゃ効いたな」
なんと毒霧が晴れてしまった、またやりすぎちゃった………ごめんね、毒霧を作った人、俺には簡単すぎたかもしれない
「ま、マジかよ………」
「本当にやっちゃったわね………」
「はい、やっちゃいましたね」
システム妨害
その方法は正しくない為、時間が戻されます
(は?いや、正しいだろ!ちょっと待っ)
時間が戻される
ベッドの上だ、もう見た!ねぇ!見たってば!4回目だ!
「今回のマグマ帝国はそういう事が起きんのか、しかも時間が戻されたのは俺だけ?」
ガチャッ
「やっぱり居たのね」
「お、莉乃香」
「その状態だとしたら、蓮も時間が戻されたの?」
「な~んだ、仲間がいたのか」
「なんかもう慣れたみたいな感じがあるけど、1回経験したの?」
「まぁな、一回目を説明しよう」
1回目の方がまだ苦しかった、あの時は死を目の当たりにしたからな。あれは普通の人だと、メンタルが崩壊してるはずだ………だが奇跡的に俺はならなかった。前へ進もうという意思がメンタルに勝ったんだろうな。だけどあのまま………彼処に居たら、多分メンタルが崩壊してると思う、もう一生立ち上がれない………でも今はみんなが居るから大丈夫、莉乃香も居てくれてるしな
一回目に時間が戻った時の事を莉乃香に話した
「蓮、本当に成長したね」
「まぁ、莉乃香のおかげだな」
「ほ、褒めても何も無いわよ!/////」
「はは、変わらずだな、俺はそういう所が好きだぜ」
「ば、ばか!/////ばーかばーか!/////」
「えぇ………」
愛の告白をしたはずなのに、何故か罵られてしまった………まぁ、莉乃香らしいからいいけど………ツンデレって最高と思わないか?褒めたら、ツンデレボイスが聞けるんだぜ?はは、まぁ、イチャイチャ会話はここまでにして、本題だ
「毒霧って自動的に消えると思うか?」
「ん~無いわね、毒霧は使った本人が解除しないと………あの毒霧は晴れないと思うわ」
「だよな、てかあれは正しく無かったのか?」
「あれは正しいというよりかはゴリ押しすぎるのよ、多分もっと他に方法があるはず…………考えてみよっか」
「ああ、ってその前に会話聞きに行かないとな」
「確かにそうね」
再び、さっきの会話を聞いた
でも聞いていると、さっきの会話と全然違かった………そして重傷者も増えた、またや毒霧のせいか?
重傷者3名
クレア
紫織
ミラエル
残ったのは俺とエレナと莉乃香だ
「なんでエレナと莉乃香は無事なんだ?」
「私と莉乃香さんはクレアさんに先に戻って、果物を購入して待っててと言われたんですの」
(ん?待て、あの時は確かエレナと莉乃香はクレア達と居たはずだぞ、時間が戻った事で状況が変わったのか?勝手に変えられた、さっきは急にクエストが来たてか言って、前に炎の皇帝って奴が現れてやられて………でもやられたのは2名、こんな変わることがあるのだろうか………これあれか?タイムリープ的な事してんのか?まぁ、一時的なものなんだろうけどな)
「クレア達の様子はなんか変とかでは無かったのね?」
「見た感じではいつも通りでしたわ」
どうやったら、この終わらない夜を終らせられる………どうやったら、毒霧を消せる………パーフェクトインヴァリッドじゃ、効かなかった、外に出ても自殺行為………死んでも行くか?多分倒さなきゃ、時間次第でクレア、紫織、ミラエルは死ぬ………何をしたら、間に合うんだ?なんも出来ない、なんも…………
「仕方ない、俺一人で行くか」
「ダメよ、あんた死ぬわよ!」
「クエスト失敗してまた戻っても、お前に託すぜ、莉乃香」
「ダメ!行かないで!」
「お兄様!」
俺はその言葉を無視して外へ出た
苦しい、苦しい苦しい苦しい!毒霧って言ってもやばい方だ、毒霧には段階がある。一級、二級、三級、四級、五級と………この異常な苦しさを感じるのは、五級の毒霧だ
「かハッ!」
やっぱり、吐血は吐く
このまま毒霧を食らうと死にますと警告が流れる
「うるさい、知ってるよ」
(ヤバい、動けない………俺の弱点って毒なんだよ、持ってない、毒を処理するスキルを)
炎の皇帝とそのボスが目の前に来た、そのボスはフードを被っていて分からなかった
「あんだ、部外者が居るとはな」
「てめ……ぇ……は………なにも……ん……だ!」
「帝国の部外者はやれ」
武器を構えて真っ二つに切り刻んだ
莉乃香side
「はっ………!」
またここなの………てことは蓮は死んだの……?もうさっきのこと覚えてないんだとしたら、許さないわよ!
私はすぐさま、蓮の部屋に向かった
ガチャッ
「蓮!」
「あれ?莉乃香」
「蓮、さっきのこと覚えてるわよね!?」
「さっきのこと?ああ、ハーメルンを倒した事か?覚えてるぞ」
やはり、さっきのことは覚えていなかった………当たり前のことだと思ってる、でもちょっとくらい覚えてくれたっていいじゃない。なんで、なんで覚えてないのよ………蓮のばか………ばかばか!
「あの………ポコポコ叩かれて痛いんですが………」
「うるさい!蓮が悪いんだからね!!」
「俺一応倒れた身なんですけど!?」
「ばか………蓮のばか………」
「り、莉乃香………?」
涙を流していた
蓮が悪いんだから………私を心配させて………私の言葉を聞かずに勝手に突っ込んで………挙句にさっきのことまで忘れるなんて
「ご、ごめん」
「もっと撫でて」
「は、はい!」
数分間だけ時間を使った
「あ、てか、皆は?」
「重傷者4名よ」
「重傷者?怪我したのか?」
「今居る、英雄ギルドはほぼ全滅よ」
「なっ」
驚くのも無理無いわね、蓮は3度目の時間戻りを体験していないのだから………私だけ、3度目の体験をした。私だけ、3度目の情報を蓮に共有することが出来る
私は蓮に情報を共有した
この情報で終わらない夜を終わらせよう




