三十四話 家族
レンside
「待たせたな、みんな」
「レン……来てくれたの……コホッコホッ」
「大丈夫か?て、おい、クレア?」
声が出せないだけで息はあるみたいだ
これは俺のせいだ、俺のせいでこんなボロボロまで耐えていた……しかもこんなに深い傷を負って
すぐさま抱き着いた
「遅くなったな、クレア……方向音痴という馬鹿みたいな事をしてお前をこんなボロボロにまで……ごめん、でももう大丈夫だ」
頷いた
「レン……お父様を倒して……」
「ああ、楽勝だろ」
「レンさん………」
「アーサーさん、話は後だ」
「はい………」
(クッ、コホッ……なんださっきの強烈な蹴りは)
「お前は一体何者だ!」
「俺?第三王国の英雄だよ、アンタを倒す為のヒーローでもある」
「なに?」
「さて、終わらせますかね」
スキル 加速
「っ!」
(この小僧早い!)
剣と剣がぶつかる
だがもちろんこちらが押している……この剣にはみんなの思いが詰まっている、絶対勝つ……てかもう勝てる
押し返す
スキル 加速
「ど、どこだ!」
「後ろ」
「ッ!ぐあっ!」
斬る
「あれって、あの技って………」
「ああ、ジェイルの技だ」
「ひ、卑怯だぞ!正々堂々と戦わんか!」
「正々堂々じゃなかった奴が何言ってんだか……しかも俺が聞きたことはそれじゃない、アレク、ジェイル、そしてリノア……この3人に何をした?」
スキル ブラックメイル
膝を着く
「き、貴様……!くっ!」
「ラザリオ・オーバン、もう一度聞く……だが2度はない、アレク、ジェイル、リノアに何をした?」
「あんなに強かったお父様に膝を着かせるなんて……」
「流石はレンだ」
「強制凶暴化魔法だ」
「強制凶暴化魔法……?なにそれ」
「まさかあの時、急に飲まされた飲み物って……」
「すまない……凶暴薬の入った飲み物だ」
強制凶暴化魔法やら凶暴薬やらで訳分からなくなってきた……しかもそれを飲ませた?飲ませた事によって強制凶暴化魔法を使い、凶暴化させたのか、そうか……そうか……お前らがアイツらを凶暴化させたのか……ならここで終わりにするか、全部
「ひっ」
「レン?」
「アレク……ジェイル……この2人の仇だ」
「貴様には負けない!フッハハハハハ、私も強制凶暴化しようか……ぐっ………グァァァァァァァッ!!」
モンスターに変形する
「な、なんだ!?」
「凶暴化した……レン、気をつけて」
めちゃくちゃムキムキだ……しかもあの頭に生えた角……現実ではギリシャ神話の話にある、半人半牛の怪物……ミノタウロスだ、まさかミノタウロスが来ていたとはな……ミノタウロスは本来ここに居ないモンスターなんだ
クエスト3-4「ラザリオ・オーバンを撃破せよ」がクリアされました
するとクエストが現る、これが最終クエストだ
最終クエスト3-5「ミノタウロスを撃破せよ」
(ミノタウロスってこの王国では最強格……いくらレンでも倒せない………いや信じるしかない……!)
「こんなんで怯むかよ、馬鹿馬鹿しい」
「終わりダッ!ふッ!」
拳で殴りかかってきた
「んなッ!私ノ拳ヲ抑えたダト!!」
(全く君は本当に強いな……私でも対応出来なかったのが君は出来る、今はレンを信じるか)
「この私ガ!貴様ニ負けるカァァァァ!」
「お前、力で勝てると思うな」
押し返す
「んなッ!」
「凄い……完全に押してる」
鞘を持ち、武器を持つ
「すぅーーーふぅーーー」
(なんダ?こノ威圧ハ……)
一呼吸する、今から使うスキルは早すぎて多分息が持たないからだ……このスキルは凶暴のこいつには適わない
地面を強く踏む
スキル 雷切
まるで光のように自分に纏わりついた雷と共に一瞬で消えた
「ど、何処ダ!!?」
と言ってる時にはもう後ろに居た
「私達でも見えなかった……瞬きした瞬間には後ろに居たんだ」
「瞬きした瞬間って……斬った瞬間なんて私は見えなかった……」
「本当に英雄かもしれないな、レンは」
「……き……さま……!」
静かに鞘へ剣を納めた
「ッ!!カハッ!」
膝を着く
「さて、まだ俺とやる?」
「コホッコホッ………」
「お父様、もう無理だよ……どう足掻いてもレンには勝てない」
「クッ…………」
「お前は会話も出来ないのか」
どうやら娘の話すら聞かないらしい……まぁ、元父親だもんな、捨てた娘の意見なんて聞きたくないよな……でもよ、一言くらい娘になんか言ったらどうなんだ……全く、この世界での家族関連の事情は難しいですな
「これで終いにしようか……いいか?リノア」
「うん………でも一言だけ、ありがとう……パパ……」
「ッ!リノア………」
「良い娘を持ったな、お前はいいのか?言わなくて」
「リノア………こんな罪を犯してこんなダメな父親だったけど……これだけは言わせてくれ……ありがとう……リノア」
「パパ………」
(根は良い人だったんだろうな、だがその上に誰か居る……だから娘を捨てた……娘を守るためにな)
「最後に質問だ」
「言ってくれ」
「お前に命令した奴は誰だ?」
「ッ………何故分かる」
「だって根が良い奴なのになんで娘を捨てたんだ?」
明らかにおかしい、てか捨てた理由なんて聞いてないからな……だからこいつは脅されたんじゃないかって、娘を庇うために捨てた……まぁ、あまりやり方は好きじゃないが……でも絶対になにかある、俺はそれを最後に聞き出したい
「………ヤツに脅されたんだ……ブラックナイトに……!」
「ブラックナイトだと……」
「知ってるのか?アーサーさん」
「ああ、第一王国、第二王国、第三王国の復讐をする為に作られたギルドだ」
(ギルドって確か次の街に出てきた……そろそろだね)
「………そうか、お前も入ってたって事でいいんだな?」
「ああ……だから殺してくれ……頼む……」
「ん~無理」
「え?」
「でも今から罰だ」
「っ………」
デコピンだけ
「っ!何故だ、何故私を……」
「自由に生きろ、娘とちゃんと仲直りして仲良く暮らせ……それが俺からの罰だ」
「っ………」
自然と涙が流れていた
(やっぱりレンは優しいやつだ)
俺はこんな良い奴に死んで欲しい訳じゃない、ちゃんと娘と向き合い、仲良く暮らして欲しい……それだけなんだ、俺みたいにはなるな……たとえ、何があろうと、家族は家族だ
「レン……ありがとう」
「気にするな、まだ来るのは時間が掛かるだろうから父親と話すといい」
「うん」
俺はクレアを完全回復させた
「どうだ?痛くないか?」
「レン!」
抱き着いてきた
「ちょちょ、公衆の面前でやめろって!」
「ごめんね……また頼っちゃって……」
「いや頼ってくれよ、仲間だろ?」
「うんっ…………」
「この前から思ったんだが、君達は付き合っているのか?」
「ち、ちちち違うよ!//////」
「仲間って言ったろ」
全く、何を言っているんだ?ルリシアは……クレアはクレアで顔真っ赤にしてるし、マジでなんだ?俺が鈍感なだけ?え?マジで分からないんだけど……もしかしてまずい?
と心の中で喋っていると、クレアに蹴られた
「ちょ、クレア?」
「レンのばか……鈍感、あほ」
「めちゃくちゃ言われてるんだけど………」
「これはレンが悪いな」
「俺!?」
彼らの到着を待ちながら、だらだらと暫く喋っていると……ドアから入ってきた、その俺が呼んだ人達は……クレインだ、そう転移魔法で帰ろうと呼んだ、てへ、ごめんね、楽しようとした
「お待たせしました、リーダー」
「おう」
「クレインか、なんでここに?」
「転移魔法で貴方達を王国内に戻そうと」
「それは助かるな」
「それと全員無事みたいですね、彼女達と街の人が待っていますよ」
「街の人……俺はだ、大丈夫か?」
「事情説明すりゃ、大丈夫だろ」
「ああ……」
「私も街の人に謝らなくてはな」
「ああ、そうしてくれ」
「では転移します」
スキル テレポート
王国内まで飛ばされた
最終クエスト3-5「ミノタウロスを撃破せよ」がクリアされました
俺達は再び仲間と再会する




