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三話
メールが来てから数日経って、とうとう約束の日曜日の前日になった。
俺のそわそわとした落ち着きのなさは家族にも容易に伝わったらしく、家族が俺の様子を伺っているのがわかる。
ちらちらと視線を送り、俺を気にするようなリビングの様子に俺はとうとう耐え切れなくなり、自室へと引き返した。
明日、あいつに会える。
長い間思いを寄せたあいつの恋人についになれるのだ。
高揚と不安で何も手につかず、俺はどさりとベッドに沈み込みながらぼんやりとしていた。
突然、静かな部屋中に電子音が鳴り響いて、俺はびくりと肩を震わせた。
飛びつくように机に置いていた携帯を掴んで、ディスプレイに表示された名前に、すぐさま嫌な予感が過ぎった。
七条愛花、と液晶に映し出される。
何か、学校のことだろう、と半ば強引に自分を納得させ、俺は通話のボタンを押した。