表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

エンカウント

 そしてようやく、僕はスタート地点を走り出せたってわけ。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 住宅街を走り、田園地区を通り過ぎ、丘を越え、約一時間。

 ゴールの真野湾まであと3キロ程の位置にまで到達し、そこで――


 エンカウントを迎えたのだった。


 当たり前だけど、僕のゾーンの中。

 ルート上の細い道の上でのことだった。


挿絵(By みてみん)


 広々とした水田が広がる、一本道の二百メートル位さきに、彼女がいて――


 オリハを働かせ、視界を望遠モードにする。


 緑の田んぼを背景に、プレイヤーネーム、アリア――


 夏なのに、雪のような白い肌。腰まで流れるしっとりとした黒髪。

 神秘的な琥珀色した瞳、長い睫。

 ととのった鼻すじ――

 詩でも歌い出しそうな薄いくちびる。

 小ぶりの耳。均整のとれた顔のライン、細い首。


 そして、身に付けているアウターは、いかにもな――金色のキモノ、銀のオビ、だったのでした。


 彼女も、僕のこと、拡大して見ていたのでしょう、納得したように一つ、頷いて。そして、ビジネス口調(くちょう)の声を、僕のオリハに送ってきたのでした。

『さっさと終わらせましょ』

 言葉を続ける。

『今のうち、言っておくわ。さよなら。観光、楽しんでいってね』

 付け加える。

『いつものことよ……』


 ああ――


 顔を覆いたくなる。こうして、誰かさんにとって、絶望的なバトルが始まったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ