罠
さぁ立合いだ、と仕切りの型をとったその瞬間――
ガクンッ!
と、階段を踏み外したような衝撃が走った。巨人の身体が一回、揺さぶられる。
――浅い、落とし穴だった!
瞬時に覚る。
これは、運営にポイントを支払ってまでして構築した、拡張されたVR空間。
このタイミングのために準備されていた、彼女の得意の必殺技なのだった!
浅い落とし穴は土が被さると瞬時にコンクリートのように固まり、両手首と両足首が地面に食われ、止められてしまう。
つまり僕は――全裸、大股開き、四つん這いの格好で――拘束されてしまったのだ。
顔が、全身が、カーッと、熱くなった。
めっちゃ恥ずかしい……!!
アリアが笑ってる。舌舐めずりしてる。
『哀願してごらん? もしかして、ゴールアウトくらいは叶えてあげましてよ? クッククク……!』
カッ、となった。
瞬時にチ○コを伸ばして――ムンズと掴まれてしまう。地面に突き刺すように埋められて、チュルチュルとどこまでも飲み込まれていく。
『貴方の“チン芸”は噂に聞いてるわ。対策済みよ、クッククク……!』
お尻をペチーンと叩かれた!
あんッ!――変な声が出た!?
『女王様とお呼び、クッククク……!』
ああん、いけない!
このままだとゲームマスターから『昇天』判定を受け、1分間、体を動かせなくなる――
もちろん、自分自身が傷つくわけじゃない。支障ない圧力を感じるだけ。硬直も、ゲームの約束事というもので、巨人が、強制的にポーズを取らされるってことだわ。
――て!? 違う!
エヘン……。
ポーズ状態になったとしても、この女王サマがゲームを終わらしてくれるハズなかった!!
いつまでも、いつまでも、嬲り続けるつもりだろう――
仕方なかった。